「精神科医療を良くしたい」という信念を胸に開院。40年以上地域の精神医療を支えてきた理事長と、皮膚科医の娘がタッグを組み、診療体制を進化
はじめに、達郎理事長のご経歴や、携わってこられた症例についてお聞かせください。

【達郎理事長】私は医師家系に育ったわけではなく、当初は普通のサラリーマンになるつもりでした。ただ、自分にはあまり向いていないのではないかと感じていたところに、中学生の頃に見たアメリカの医療ドラマ『ベン・ケーシー』が強く印象に残っていたんです。医師という職業への憧れがずっと心の奥にあり、「専門的な資格を身につけたい」という思いから奈良県立医科大学へ進学しました。
精神科を選んだのは、身近な先輩や友人がその道に進んでいたことが大きかったですね。奈良県立医科大学と山口大学で研修を受けた後は、山口県や宮崎県の県立精神病院に勤務し、統合失調症やてんかん、躁うつ病など、幅広い精神疾患の診療に携わってきました。さまざまな患者さんと向き合う中で、精神科医としての視野や経験を深めてこられたと思います。
そして、1982年に前身である「一ツ瀬病院」を開院されました。開業を決めたのには、どのような想いがあったのでしょうか?
【達郎理事長】当時の日本の精神科医療は、「閉鎖的である」と批判されることが多く、私自身もその状況を変えたいという思いが強くありました。「もっと明るく開放的で、家族のように温かい雰囲気の病院をつくりたい」——その理想を形にしたいと考え、友人の精神科医とともに一ツ瀬病院を開業しました。
その後、2002年に法人化したことを機に「ピア・メンタルささき病院」へ名称を変更し、2020年のリフォーム・増築のタイミングで現在の「ピア・ささき病院」となりました。病院名の“ピア”には「仲間」という意味があり、同じ経験をもつ仲間同士が支え合いながら、共に回復を目指していける場所でありたい——そんな願いを込めています。
次に、夏季先生のご経歴をお聞かせください。
【夏季医師】実は、最初は反発心もあり「医師にはならない」と、あえて経済学部へ進学したんです。でも大学生活を送るうちに、さまざまな経験や出会いを通して「やっぱり医師として人の役に立ちたい」という気持ちが強くなり、卒業後に医学部を再受験しました。
皮膚科を選んだのは、私自身が大人になるまでアトピーで悩んでいたことが大きな理由です。だからこそ、皮膚のトラブルで困っている方の気持ちに寄り添えるのではないかと思いました。また、薬で治療する内科的な面に加えて、手術などの外科的な処置も行える点にも魅力を感じました。
福岡大学医学部を卒業後は九州大学病院で研修を受け、その後、福岡赤十字病院などの市中病院で皮膚科全般にわたり経験を積んできました。そして2025年4月から当院に加わり、患者さんそれぞれのお悩みに丁寧に向き合いながら診療を行っています。

