“利他の心”で地域医療を支えてきた父の背中を追って医師に。医院継承後は、地域密着の医療の提供と、女性も気軽に受診できる敷居の低い医院を目指す
はじめに、医師を志されたきっかけをお聞かせください。

父が内科医で、私が小学校3年生のときに当院を開業しました。自宅と併設されていたため、診療時間外であっても急患の方が訪ねて来られたり、連絡を受けると父は昼夜を問わず往診に出かけたりしていました。利他の精神で、地域の人々のために献身的に働く父の姿を子どもの頃から見て育ちましたので、自然と「父のように地域に貢献できる医師になりたい」と思うようになっていましたね。
須貝先生は消化器病専門医の資格をお持ちですが、消化器内科を専門に選ばれたのは、どのような理由からでしょうか?
消化器内科の大きな魅力は、内視鏡で病変を直接観察しながら診断できる点にあります。画像検査に比べ、より正確な診断に結びつけられるだけでなく、状況によってはその場で治療に移ることも可能です。内視鏡の技術を高めるほど、患者さんにとって負担の少ない検査・治療を実現できる──そのやりがいに惹かれ、この道を専攻することを決めました。
貴院を継承されるまでのご経歴を教えてください。
東北大学医学部を卒業後、同大学病院の消化器内科と糖尿病内科を標榜する第三内科(当時)に入局しました。消化器内科の中でも、下部消化管グループに所属していましたので、東北大学病院や仙台オープン病院などの消化器内科では、主に潰瘍性大腸炎やクローン病などの潰瘍性腸疾患を専門に診療していました。
その後、大学院在学中に勤務していた市中病院では、消化器内科だけでなく、咳や肺炎などの呼吸器の病気や、心臓病などの循環器、高血圧などの生活習慣病など、幅広く診療していました。
2018年に医院を継承されたのですね。
もともとプライマリ・ケア(初期診療)に関心があり、いずれは父の後を継いで地域医療に貢献したいという思いを抱いていました。父が高齢になるにつれ、開業の2〜3年前からは月に数回帰郷し、診療を手伝うようになっていたんです。やがて父一人での診療が難しくなったことを受け、2018年2月に医院を正式に継承、「干隈すみれ内科クリニック」と改称し再スタートを切りました。

クリニック名には、どのような思いを込められたのでしょうか?

当院は父の代から数えて、約60年にわたりこの地で地域医療を担ってきました。私自身も現在この町内に暮らし、町内会の活動に参加したり、地域の方々と交流したりしています。そうしたつながりを大切にしながら、これからもこの地域に根ざした医療を続けていきたいという思いを、“干隈”という地名に込めました。
また、女性医師が在籍していることから、女性ならではの健康上の悩みや不安も気軽に相談していただきたい──その願いを、“すみれ”という花の名に託しています。