スペシャル対談
女優
羽田
美智子
Michiko Hada
監修 : 吉川整形外科 吉川 恭弘 院長
舞台本番当日「右腕が上がらない!」
羽田美智子さんが体験した突然の五十肩と更年期の関係性——“自然に美しく”年を重ねるために実践したいこと
記事本文
五十肩の一要因は「更年期障害」。美容、姿勢にも関連
五十肩の診察を受けた際、更年期の影響についても指摘されましたか?
その後、整形外科に通う中で指摘されました。最初は「えっ、肩なのに更年期?」と驚きましたね。それに、その約8ヶ月前に雑誌の取材で骨密度を詳しく調べてもらっていて、そのときは年齢平均よりも高かったのです。だから「私の体は大丈夫」と過信していました。でも、改めて測ったら年齢平均の70%程度になっていて……。1年もしないうちにここまで骨密度が下がるのかと、呆然としましたね。
更年期と五十肩はどう結びついているのでしょうか。
更年期になると女性ホルモンであるエストロゲンが減少しますが、このホルモンはコラーゲンの生成をサポートする役割を持っています。骨はよくカルシウムの塊だと思われがちですが、実はコラーゲンにカルシウムがくっついてできているのです。建物に例えるなら、コラーゲンが「鉄筋」で、カルシウムが「コンクリート」ですね。
五十肩で痛める靭帯や腱も、主成分はコラーゲンです。つまり、更年期でコラーゲンが減ると、骨がもろくなるのと同時に、肩の靭帯も切れやすくなります。
また、コラーゲンはタンパク質由来のアミノ酸からできています。年齢を重ねると肌のハリや髪のコシなども失われていきますが、これらはすべて、体内のタンパク質不足から来る現象です。
五十肩は肩だけの問題だと思っていましたが、顔がたるんだり、髪のツヤがなくなったりすることと原因が同じなのですね。美容のためにコラーゲンを摂ることは意識していましたが、それが骨や肩を支えることにも直結していたなんて驚きでした。
だからこそ、五十肩の治療で整形外科にかかることは、結果的に「全身の若々しさを取り戻す」ことにつながります。血液検査でタンパク質の数値を見れば、その方の栄養状態がわかります。栄養が足りていなければ、いくらリハビリをしても良い筋肉や靭帯は作られませんからね。
加えて、羽田さんの骨密度の低下については、多忙や体調不良による免疫低下など、心身の大きな負担の影響とも考えられます。骨は単なる「柱」ではなく、常に新しく作り替えられている動的な組織です。よって、過度なストレスや疲労でバランスが崩れると、骨密度にも影響が表れるのです。
また、骨が弱くなると、背骨が重力に負けて丸くなってきます。いわゆる「猫背」ですね。猫背になると頭が前に出るので、首や肩の筋肉に常に負荷がかかり、五十肩を誘発しやすくなります。また骨密度が低い方は、顔の「土台」となる骨も痩せていきますので、その上にある皮膚もたるんできます。お肌のケアにどれだけ高価な美容液を使っても、土台の骨がスカスカでは効果が半減してしまうでしょう。
舞台に立つ人間として「姿勢」の重要性は痛感しています。猫背になると、それだけで自信がなさそうに見えたり、年齢を感じさせたりしますよね。
当時肩を痛めたことで、無理に姿勢を正すのではなく、内側から体を支える力を養うことの大切さを改めて学びましたし、「ああ、今の私は更年期の最中にいるのだな」と、自分の年齢を素直に受け入れるきっかけになりました。肉体はちゃんとサインを出してくれていた。そう思うと、自分の体に「無理させてごめんね」と謝りたくなりますね。