スペシャル対談

タレント・一般社団法人Woman's ways代表 潮田 玲子 Reiko Shiota

三浦 裕美子 監修 : ゆうレディースクリニック東小金井 三浦 裕美子 院長

「玲ちゃんもホルモンにはかなわない!」
先輩ママの言葉を実感——アスリート時代から産後・育児、更年期まで。潮田玲子さんに聞く“女性の不調”との向き合い方

元バドミントン日本代表選手として、世界を舞台に活躍されていた潮田玲子さん。現在は2人のお子さんの子育て、バドミントン協会やメディアの仕事と並行し、「アスリート時代に知っておきたかった」という、女性ならではの体や不調との付き合い方に関して、積極的に発信されています。
女子アスリートから産後・子育て中のママ、そして更年期を迎える女性の体や心の困りごとは、どのように解決していけばよいのでしょうか。潮田さんと、「ゆうレディースクリニック東小金井」三浦裕美子院長に語っていただきました。

PROFILES

潮田 玲子

タレント・一般社団法人Woman's ways代表
潮田 玲子 (しおた・れいこ)

幼い時からバドミントンを始め、全国小学生大会女子シングルスで全国3位、中学3年時に全国中学生大会女子シングルスで全国大会優勝。その後はダブルスに転向し、小椋久美子さんとの“オグシオ”ペアで、全日本総合選手権大会で2004年から5年連続優勝、2007年世界選手権で銅メダル、2008年北京オリンピックで5位入賞。2009年より池田信太郎さんとの“イケシオ”ペアで全日本社会人大会優勝、全日本総合選手権大会優勝。2012年混合ダブルスでロンドンオリンピックに出場、同年9月に現役を引退。2014年より、(公財)日本バドミントン協会の広報委員会を務め、2021年には一般社団法人Woman's ways代表に就任。2025年より日本バドミントン協会の理事及びアスリート委員会の委員長を務めている。
着用衣装
ピアス:STELLAR HOLLYWOOD
トップス:ICB
パンツ:uncrave

三浦 裕美子

ゆうレディースクリニック東小金井 院長
三浦 裕美子 (みうら・ゆみこ)

東京慈恵会医科大学卒業。長年にわたり大学病院や総合病院で産婦人科診療に従事し、とりわけ周産期医療の分野で研鑽を積んできたエキスパート。産婦人科専門医、臨床遺伝専門医、周産期(母体・胎児)専門医、超音波専門医の資格を有し、妊娠・出産をはじめ、女性の健康全般を総合的に支える医療を提供している。

記事本文

「意識は低かった」コンディション管理と生理、ホルモンの関係

潮田さんはアスリート時代、練習中や試合中の生理(月経)やPMS(月経前症候群、Premenstrual Syndrome)について、どのような意識を持っていましたか?

現役時代は、正直なところ、生理やホルモンバランスといった女性特有の変化について意識を向けることがありませんでした。体のコンディションと結びつけて考えることもほとんどなかったですね。
生理痛は多くの女性が経験しますし、腰痛やだるさなどの不調も起こりがちですよね。でも当時は、そうしたつらさを「我慢して乗り切るのが当たり前」という風潮があって、悩みを相談したり婦人科を受診したりする発想自体が持ちにくかったと思います。
女性アスリートが抱えがちな、生理やホルモンバランスなどに起因する体の不調には何がありますか?

アスリートは激しい運動を日常的に行うため、消費エネルギーが摂取エネルギーを上回りやすく、利用可能エネルギーが不足して、生理が止まってしまう無月経が起こることがあります。
以前は「無月経でも競技ができれば問題ない」という風潮もありましたが、無月経は骨密度の低下(骨粗しょう症)や疲労骨折のリスクを高める、放置してはいけない状態です。競技パフォーマンス、回復力、持久力にも影響しますので、適切なエネルギー摂取と月経の重要性を理解することがとても大切です。
また、PMSは症状の出方に個人差が大きいものの、精神的・身体的な不調が生活に影響する点は共通しています。つらさを我慢せず、婦人科を受診して適切なケアを受けることが大事だと思いますね。

私は一般社団法人Woman’s waysを主宰し、女性アスリートの「からだ」や「生理」「ホルモンバランス」に関する課題について発信しています。私たちの世代は、小学校や中学校の保健体育の授業で基本的な性について学ぶくらいで、無月経によるリスクなど、もう一歩踏み込んだ知識までは教わる機会がほとんどありませんでした。また、アスリートは結果を残さないと自分の将来が開けないので、どうしても競技に集中してしまい、自分の体の変化に目を向けにくい部分もあったと思います。
だからこそ、女性アスリートを支える監督やコーチ、指導者、そして保護者の方々が、こうした情報を知っておくことがとても大切だと感じています。不調をそのままにしてしまうと、気づいたときには症状が進んでいる場合もあります。そうなる前に、「予防」という視点を持って、早めに気づき、早めに相談できる環境が整っていくと良いなと思っています。

最近は、男女問わず性教育に触れる機会が増えてきていて、10〜20代の若い世代でも多くの情報を得られるようになってきたと感じます。私たち大人も、その流れに置いていかれないように、体や健康に関する知識をきちんとアップデートしていきたいですね。