スペシャル対談

EXILE 松本 利夫 Toshio Matsumoto

岩堀 本一 監修 : スラージュ内科クリニック 岩堀 本一 院長

EXILEが飛躍を遂げる中で難病「ベーチェット病」に…
困難を受け入れたMATSUが語る「折れない心の作り方」

記事本文

つらい日々から生まれた「一日一笑」という言葉

松本さんのように、腸管に潰瘍ができる「腸管型ベーチェット病」は、激しい腹痛や下血を伴う非常につらい症状です。しかしその身体的な苦痛以上に、精神的な負担が松本さんを追い詰めていたのですね。
そこからどうやってダンスを続けることを決め、精神的にも立ち直っていったのですか?

まずダンスに関しては、仕事以前に「人生そのもの」でした。だから、辞めるか、続けるかを考えたとき、「辞めるという選択肢がとれなかった」というのが正直なところです。もちろん、ダンスを続けて症状を悪化させる怖さや、周囲に迷惑をかける申し訳のなさもあったのですが、生き方は変えたくなかった。だから、ダンスやグループを続ける決断をしました。

次に精神的に立ち直れたのは、当時、側で支えてくれた今の妻が寄り添ってくれて、彼女と「一日一回でも笑えるといいね」と話したのがきっかけでした。もちろん、心から笑うなんて無理な状況です。だから「せめて形だけでも」と思い、口角をキュッと上げるようにしたのです。ただでさえ、顔が怖いですし(笑)。
そうしたら、トゲトゲしていた心が少しだけ柔らかくなるのを感じました。自分がつらいと、どうしても周りに当たってしまい、そんな自分が嫌になります。しかし、少し表情を緩めるだけでこうした負のスパイラルから抜け出し、周囲に感謝できる余裕が生まれました。
このときから「一日一笑」、一日一回でいいから笑って過ごそう、と思うようになりました。
こうして日々笑うことは、医学的にも意味があるのでしょうか?

無理にでも笑うのは、とても重要な行動です。最近の脳科学や生理学の研究では、感情が先にあるのではなく、表情筋が動くことで脳が「今は幸せだ」と判断し、ポジティブな神経伝達物質を分泌することが分かっています。

そうだったのですね。あとは、下を向くと視界も心も暗くなるので、意識的に空を見上げ、太陽の光を感じるようにしています。上を向くと笑顔にもなりやすくて、一石二鳥ですよね。