関節の悩みに幅広く対応し、再生医療による先進治療で一人でも多くの患者さんを笑顔に
貴院で受けられる診療について教えてください。
当院は、関節治療専門のクリニックです。クリニック名に「ひざ」と表記していますが、ひざだけでなく、肩や股関節など関節全般のお悩みに幅広く対応しています。患者さんの年齢層は50~80代の方が多いですが、スポーツ関連での関節のお悩みで若い年代の方から問い合わせをいただくこともありますね。患者さんやそのご家族に対し、痛みに関するご相談、セカンドオピニオンのご相談、再生医療に関するご相談なども承っています。
また、再生医療を専門に掲げていますが、強引に再生医療をすすめるようなことはありませんのでご安心ください。患者さん本人に「患部の状態がどうなっていて、どのような治療の選択肢があるのか」をしっかりと理解していただくことが、何よりも大切だと思っています。受診いただいた患者さんには、まずはMRI検査を受けていただき、体の状態をよく見て診断をつけ、わかりやすくご説明するようにしています。MRI検査は、当院の向かいにあるNTT東日本札幌病院と提携しており、当院から予約をすることができますし、ほかの医療機関で撮影した画像をお持ちいただいての診察も可能です。
そのうえで、再生医療も含めたあらゆる選択肢の中から、患者さんそれぞれに適した治療法をご提案します。保険適用となる治療法や、手術による治療のメリット・デメリットもしっかりとお伝えし、患者さんが再生医療を希望された場合は、当院で治療を進めます。
再生医療では、どのような治療を行うのでしょうか?
当院では、幹細胞治療、PRP治療、幹細胞培養上清液、慢性疼痛の4つの治療を提供しており、いずれも自由診療となります。そのなかでも、多くの症例に対して効果が期待できるのが「幹細胞治療」と「PRP(多血小板血漿)治療」です。
幹細胞治療は、患者さんの体から採取した幹細胞を、培養技術を用いて増殖させ、患部に注入します。注入された幹細胞は、損傷した箇所の修復・再生を促し、たとえば、ひざの関節であれば軟骨組織などを修復・再生させるような治療効果が期待できます。幹細胞治療の利点は、何といっても「手術や入院をせずに機能回復を狙える」点です。人工関節手術では、痛みの軽減は望めるものの、長期間の入院や退院後もリハビリ治療が必要です。幹細胞治療は日帰りで治療が受けられるうえ、痛みの軽減効果が高く、患部の修復も目指せるのが大きな魅力です。
もうひとつのPRP治療は、幹細胞治療よりも費用を抑えながら、痛みの緩和に高い効果を期待できる治療です。患者さんの血液中から、血小板を多く含む成分だけを取り出して多血小板血漿を作り、患部に注入します。血小板には「成長因子」と呼ばれる傷の修復などに作用する物質が豊富に含まれており、患部周辺に多くの成長因子を注入することで回復力を高め、痛みの緩和や組織の修復が期待できます。
関節の痛みを和らげる治療法ではヒアルロン酸注射が代表的ですが、PRP療法とどのような違いがあるのでしょうか?
ヒアルロン酸の注射は、関節内で潤滑剤となるヒアルロン酸を補充することで、患部の動きを滑らかにします。一時的に関節の痛みが和らぎますが、その効き目は数日間と短いため、頻繁に通院しなければいけません。また、関節の変形などが進んでしまった方には効果がない場合もあります。
一方、PRP療法は患部の炎症を抑えて痛みを緩和すると同時に、患者さん本人の自己治癒力を助け、損傷した組織の修復・再生・治癒を目指します。ヒアルロン酸注射よりも効果が長く続くこともメリットで、一度治療を受ければ半年から1年程度の持続効果が期待できます。
再生医療専門の貴院ならではの工夫があるとも伺いました。
はい。幹細胞治療は培養した幹細胞の働きが重要となりますが、当院は高レベルの細胞加工技術を有した施設と提携し「細胞を冷凍しない」「培養に使う血清は患者さん本人から採取する」など、細胞の生存率や安全性に対して徹底的にこだわっています。また、培養後に投与する細胞数の基準は、一般的なクリニックの1,000万個を大幅に上回る約2,500万個~最大1億個に設定しています。さらに、他の医療機関では再生医療の適用が難しいB型肝炎、C型肝炎、癌治療直後の患者さんのご相談にも応じています。
PRP療法では院内に加工設備を揃えていますので、患者さんをお待たせすることなく、採取した血液をすぐに加工して受診当日に治療することができるのも当院の強みだと思います。