患者さん一人ひとりに寄り添って、長きにわたりサポートしていきたいと開業を決意
田中先生が医師を志したきっかけを教えてください。
私自身、小学校の頃からアトピー性皮膚炎に悩まされ皮膚科に通院していたのですが、治るどころか小学生から中学生へと成長するに従って、どんどんひどくなっていったのです。それで「こんなに治らないのなら、治る薬を自分で開発するために医者になろう」と考えたことが医師を目指したきっかけになります。
ただ、治療の効果なのかはわかりませんが、医師になる前にアトピー性皮膚炎の症状が改善されたこともあり、皮膚科医ではなく消化器内科医になりましたが、、、(笑)
消化器内科を専攻された理由は何だったのでしょうか。
お話した通り、最初に医学に興味をもったのは自身のアトピー性皮膚炎がきっかけですが、愛媛大学医学部に進学してからは「手を動かして患者さんを救う外科医になりたい」と思うようになりました。
しかし、私は左右の視力に差がある「不同視」、わかりやすく言えば、左目が近視で右目が遠視というハンディキャップがあり、3D立体視(物を立体的に感じる能力)が得意ではありません。外科では、繊細な手技が求められるため3D立体視は必要不可欠な要素です。
それでも「手を動かしながら仕事がしたい」という気持ちは変わらず、2D平面視でも内視鏡で初期の胃がんや大腸がん、ポリープ切除などの外科的治療で患者さんを救うことができる消化器内科の道に進むことを決めました。
開業されるまでの経緯について、お話をお願いします。
愛媛大学医学部を卒業後、米国へルアスケアレジオナルシステムでの研修を経てから大阪市立大学医学部附属病院や基幹病院の消化器内科に勤務し、消化器内科の日常的に起こる疾患から重篤な病気まで幅広く診療してきました。
その中でも特に、胃・大腸がんなど消化器がんの早期発見、早期治療のための内視鏡診療においては、延べ2万人の患者さんを診てきました。また、難病にも指定されている潰瘍性大腸炎やクローン病など炎症性腸疾患の他、機能性胃腸症や過敏性腸症候群などの胃腸疾患、C型肝炎、B型肝炎、肝硬変などの肝疾患や、胆管結石やポリープなど胆のう疾患についても数多くの症例を経験し検査・治療に研鑽を積んできました。
開業を決意された先生の想いをお聞かせください。
勤務医を続ける中で、大学病院や基幹病院では異動も多く、一人の患者さんに長く関われないことが悩みになっていました。
私は、「病気にならないよう、あるいは病気を治すために患者さん一人ひとりと向き合い、長年にわたり診療を続けていくこと」が医師にとっての使命でもあり、それが最難関なことでもあると考えています。だからこそ、そこにチャレンジしたいと「患者さんに寄り添って、長きにわたりサポートしていく」クリニックの開業を決意しました。
外観がまるで美術館のようで、とてもスタイリッシュですね。
姫路を中心に、医療機関や飲食店などの店舗デザインを多く手がけているマツヤアートワークスに設計をお願いしました。このマツヤアートワークスは、今や世界的にも有名になっており、代表の松本氏は簡単にお話しもできない人になってしまいましたが、そういう方にお願いすることによってひと目見たら覚えていただけるような外観になりました。
また院内は、ガラス張りの内視鏡室を中央に配置して、検査を行っていない時は内視鏡室の中をご覧いただけるようにしています。患者さん自身が、どんな風に内視鏡検査を受けられるのかイメージできることで、安心感に繋がっていれば嬉しいですね。