訪問診療や在宅輸血も実施。困っている患者さんに医療のサポートを届けたい
クリニックの設備としてこだわって導入されたものはありますか？
開業にあたっては、病院機能をある程度有したクリニックを作るということをコンセプトにしました。つまり、「患者さんが大きい病院に行かなくても、できる限り当院で検査を実施できるようにして、患者さんに負担をかけず、早期発見・早期治療につなげる」ということを目指しました。血液検査や心電図、レントゲンや超音波（エコー）などの検査に加えて、血管の硬さや詰まり度合いを検査する血圧脈波検査、喘息の有無を検査する呼気NO検査なども、すべて院内で対応しています。病院の救急外来にあるようなベッドサイドモニタも完備しています。
その上で、当院は淡海医療センターや済生会滋賀県病院といった地域の基幹病院と連携しており、精密検査やより専門的な高度医療が必要なときには橋渡しをしています。CTやMRI検査、内視鏡検査が必要な場合も連携先の病院で受けていただけますし、検査結果は迅速に当院で確認できる体制を整えていますので、ご安心いただければと思います。
訪問診療も手がけておられると伺いました。
はい。まだ開業して間もないので、小規模ですが、お一人での通院が難しい患者さんへの訪問診療も始めています。診察はもちろん、必要に応じて血液検査や心電図検査などを行うこともできますし、注射、点滴、薬の処方なども可能です。
今後は、血液疾患で定期的に輸血する必要がある患者さんに対して、在宅で輸血する処置（在宅輸血）にも対応していきたいと考えています。
というのも、骨髄異形成症候群（MDS）や再生不良性貧血などの血液疾患の患者さんは、定期的に輸血を受けていれば支障なく日常生活を送れる方も多くいらっしゃいます。しかし日本の保険システムでは、介護型施設のような病院以外の施設で輸血を行うことが難しく、輸血を必要とする患者さんの行き場がないのが現状です。そのため、輸血のためだけに長期入院を余儀なくされるケースも少なくありません。そうした患者さんがご自宅で輸血を受けられるようになれば、患者さんのQOLも上がりますし、ご自身の時間を大切にして過ごせるようになります。一人でも多く、輸血が必要でお困りの患者さんのサポートができるよう、体制を整えていきたいですね。
お忙しい中、診療時間以外はどのようにお過ごしですか？
家に犬が2匹いるので、犬と遊ぶことが多いですね。3歳のチワワと1歳を過ぎたばかりのマルチーズで、まだまだ子どもなので手がかかりますが、家で遊んだり外を散歩したりと、一緒に楽しく過ごす時間がリフレッシュになっています(笑)。
最後に今後の展望と、読者へのメッセージをお願いいたします。
現代はいろいろな病気を複合的に抱えている患者さんが多く、「一つの病気を治療すれば健康でいられる」ということは少ないと感じています。だからこそ、患者さん一人ひとりを総合的に診る「総合内科クリニック」として、地域の皆さんの健康をトータルでサポートできるよう尽力してまいります。
また、病気の状態や症状は患者さんによってさまざまで、先ほどお話ししたように「どこに相談すればいいかわからない」「何科にかかったらいいかわからない」とお悩みの方も多いと思います。当院では、患者さんのご不安に寄り添い、検査や治療を通じて、患者さんが健康に向かう道筋をつけられるよう可能な限りサポートしますので、お困りのことがありましたらお気軽にご来院ください。