更新日: 2023-08-03

基本情報

名称:
うえの内科・消化器内視鏡クリニック
診療科目:
内科, 消化器内科, 内視鏡内科
住所:
〒 520-1532
滋賀県高島市新旭町熊野本1丁目1-1

電話番号0740-25-0714電話
する

饗庭野山麓と琵琶湖に挟まれた平野に位置する高島市新旭町。自然豊かでのどかな住宅地に佇む「うえの内科・消化器内視鏡クリニック」は、2023年5月に開業したオレンジの外観が印象的なクリニックだ。

院長を務める上野哲先生は、大学病院や総合病院で炎症性腸疾患をはじめとした幅広い消化器疾患の臨床に研鑽を積んできた消化器病専門医※1であり、数多くの内視鏡検査に携わり技術を磨いてきた消化器内視鏡専門医※2でもある。消化器内科の分野だけでなく、咳、腹痛など日常的によく起こる症状、いわゆるコモンディジーズにも目を向け、地域に根差した診療でより多くの患者の悩みに応えたいと開業を決意。高齢化が進むこのエリアにおいて、生活習慣病などの一般内科診療に対応する「かかりつけ医」としての役割も担っている。「患者さんへの診療経験で得られる“学び”を地域に“還元”したい」と語る上野院長に、注力する内視鏡検査の特長や、今後の展望などについて伺った。

※1 日本消化器病学会消化器病専門医、※2 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医

消化器内科疾患から日常的によく起こる病気まで、多くの患者のさまざまな悩みに対応したいと開業を決意

はじめに、先生が医師を志したきっかけからお聞かせください。

上野先生の写真

祖父も父親も内科の医師で、京都で開業医を営んでおり、幼い頃から医療が身近にある環境で育ちました。「家業を継ぐ」という感覚で医師になることは漠然と意識していましたが、私が中学生のときに父が急逝したことで、「父の意志を継ぐためにも医師を目指そう」と、決意はいっそう固いものになりました。

滋賀医科大学に進み、卒業後は京都大学の消化器内科学講座に入局しました。専門を消化器内科にしたのは、食道・胃・大腸・肝臓・膵臓など幅広い部位を診る診療科であること、そして、外から見えない部分を内視鏡で診て診断できることに興味を感じたからです。また、もともとがん診療を志していましたので、内視鏡でがんやポリープの早期発見、切除まで行うことができるのも魅力でした。

開院されるまでのご経歴を教えてください。

京都大学医学部附属病院での1年間の研修後に赴任した大津赤十字病院で「コモンディジーズ」と呼ばれる、発熱、咳、頭痛、腹痛といった日常的によく起こる症状について学び、内科医としての基礎を身につけました。同時に消化器疾患全般の診療や、内視鏡検査・治療に伴う手技の取得に励み、目指していたがん診療にも携わるなど、幅広く専門領域の経験を重ねました。

6年ほどキャリアを積んだ後、炎症性腸疾患の研究を目的に京都大学大学院医学研究科・消化器内科学講座に進学しました。炎症性腸疾患とは、消化管に慢性・再発性の炎症を引き起こす疾患で、具体的には潰瘍性大腸炎とクローン病などがあり、国の指定難病に定められています。症状としては下痢や腹痛、下血などの症状が慢性的に続きますが、現時点では明確な原因は不明で、完治させる治療法がなく、患者さんは毎日の生活と両立しながら生涯にわたり治療を続けていく必要があります。日本でも若い方を中心に患者数が増加していますが、患者さんが若ければ若いほど、学業や就職など人生設計に大きな影響を与える疾患です。患者さんが病気と上手に付き合っていくために医師として何が出来るかを考えながら、研究に臨床に研鑽を積む日々を送りました。

開業を決めたのは先生のどんな想いがあったのでしょうか?

大学院2年目の2005年から高島総合病院(現・高島市民病院)に非常勤医師として勤務を開始し、15年以上、忙しくも充実した日々を送っていました。そんな折、ちょうど父が亡くなった歳と同じ50歳という節目を迎え、ふと自分の医師人生を振り返ってみたんです。

私はそれまで、消化器内科医・内視鏡医として研鑽を積んできました。山で例えるならば、より専門性が必要な「高み」を目指してきたわけです。しかし、医師人生を振り返ったところ、多くの人が日常的に抱えているコモンディジーズという裾野が広がっていることに気づいたのです。例えば咳や腹痛といった症状でも、詳しく検査をしたら重大な病気が隠れていたというケースもあります。健康の基盤となる日常的な医療に目を向け、より多くの患者さんの悩みに応えていくタイミングではないかと思い、開業を決意しました。

高島市を選んだのは、医師人生の大半をここで過ごし愛着を感じていたのもありますが、高齢化が進む地域なので、生活習慣病などの慢性疾患を診る「かかりつけ医」の需要が高いと感じたのも理由のひとつです。

うえの内科・消化器内視鏡クリニックの外観の写真
外観のオレンジ色はクリニックのテーマカラー。約20台停められる駐車場も完備。
うえの内科・消化器内視鏡クリニックの院内の写真
広々とした待合室はオレンジ色の椅子が並び、明るい雰囲気