地域住民の健康に役立つ専門知識とキャリアを積み上げ三代目院長を継承
はじめに、医師を志したきっかけや糖尿病内科を専攻した理由をお聞かせください。
私の祖父と父が医師で、この髙槻医院は、自宅を兼ねたこの場所で祖父の代から開業しています。患者さんを診察する父の背中を見ながら育ってきた私は、物心ついた時から「自分も父のような医師になって、地域の方たちの役に立ちたい」と思うようになっていました。
この地域も多分にもれず、糖尿病を始めとする生活習慣病の患者さんがとても多いんです。「いずれは父の医院を引き継いで地域医療に貢献していきたい」と考えていましたので、専門知識をもって早期発見や進行予防に努めることで、地域の方々の健康維持のお手伝いができればと糖尿病内科を専攻しました。
医院を継承されるまでの経緯を教えてください。
金沢医科大学医学部を卒業後、生まれ育った滋賀県に戻り、滋賀医科大学付属病院で初期研修を終え、そのまま糖尿病内科に入局しました。糖尿病の患者さんを中心に外来などを担当し、その後、第二岡本総合病院(現・京都岡本記念病院)の「総合診療科」に配属されました。同病院で約8年間、糖尿病だけでなく内科領域全般の疾患から救急外来まで幅広く臨床経験を積んだ後、父から髙槻医院を継承しました。
総合診療科でのご経験は、開業後も役に立っていますか?
そうですね。総合診療科というのは、「突然熱が出たけど、原因が何なのかわからない」「めまいがするけど、貧血なのか耳の病気なのか、、、」など、日常的に起こる健康問題に対して最初に対応する科です。症状はあるけれども何の病気かわからない、どの科目を受診したらよいのかわからないという患者さんを診察して、検査や治療を行ったり、必要に応じて各専門科を紹介したりします。
総合診療科での経験は、「身近にあって、どんな相談にも対応する総合的な医療」=プライマリ・ケアを担う開業医にとって必要な、幅広い知識の習得に役立ったと感じています。
2022年4月に髙槻医院を継承されたそうですね。
新しい医療機器をいくつか導入し、新型コロナ対策のための空気清浄機の設置など内装も整えて、改めてスタートを切りました。ただ、父の診療をご希望の患者さんもいらっしゃいますので、当分の間、父には副院長として週1回午後だけ予約制で診療を受け持ってもらっています。