更新日: 2025-12-10

基本情報

名称:
野沢医院
診療科目:
内科, 循環器内科, 消化器内科, 小児科
住所:
〒 065-0017
北海道札幌市東区北十七条東1丁目2-25

電話番号011-741-3535電話
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問診・聴診・視診・触診を通じて全身を観察し、見落としのない診療に尽力。治療の継続が重要な慢性疾患では、多角的に見方を変えながら、病気の進行予防を目指す

日々の診療で大切にされていることはありますか?

野澤 健一先生の写真

医局時代から、教授に「患者さんの話をよく聴き、聴診・視診・触診を欠かさず、頭から足先まで全身を診なさい」と繰り返し教え込まれてきました。その教えは今でも変わらず、日々の診療の中で忠実に実践しています。
最近は、患者さんに直接触れる診察が減ってきている印象があり、当院の患者さんの中にも、「心臓の音を聴いてもらったのは初めてです」と驚かれる方がいらっしゃいます。
私が毎回必ず聴診を行うのは、心不全などの兆候をいち早く察知できるからです。心音のわずかな変化や呼吸音の異常に気づけば、すぐにレントゲンやエコーなどの検査に進めることができます。こうした日々の積み重ねこそが、早期診断と適切な治療につながると信じています。

特に慢性疾患の場合、病気の進行を見逃さないことが重要になるのでしょうか?

おっしゃる通りです。高血圧や糖尿病などの生活習慣病をはじめとした慢性疾患は、治療期間が長く、明確な自覚症状が出にくいため、どうしても診療がルーティン化しやすい傾向があります。その結果、病状の変化や進行を見落としがちになることも少なくありません。
そのため当院では、問診・聴診・視診・触診といった基本診察に加え、眼底検査や頸動脈エコーなどの検査も定期的に行い、さまざまな角度から病状を丁寧にチェックするよう心がけています。
実際に、糖尿病の患者さんで眼底検査を行ったところ、自覚症状がない段階で糖尿病性網膜症の初期変化を発見できたケースもありました。慢性疾患は、症状が落ち着いていると自己判断で治療を中断してしまう方もいらっしゃいますが、数値や画像などの客観的なデータを示しながら、治療の継続を支援していくことがとても大切だと感じています。

貴院はご両親の代から数えると、70年近くにわたって地域医療を支えてこられたと伺いました。やはり、長く通われている患者さんも多いのでしょうか?

野沢医院の院内の写真
アットホームな雰囲気の院内

そうですね。両親が最初に開業したのは、現在の場所から少し離れた郊外でしたが、そこから数えてもうすぐ70年になります。この地に移転してからも、60年近くが経ちました。当時は若かった患者さんも、いまでは90歳、100歳に近いご年齢になられていて、私と一緒に年を重ねてきたような感覚ですね(笑)。それでも変わらず通い続けてくださることは、本当にありがたいです。
また、新型コロナの流行時には、当院でも発熱外来を開設し、PCR検査と同等の精度をもつ迅速検査機器を導入して、地域の感染対策に全力で取り組みました。そのときに初めて受診された方の中にも、今では「何かあればここに相談しよう」と頼ってくださる患者さんが多くいらっしゃいます。
長年勤務してくれているスタッフも多く、院内はアットホームな雰囲気ですので、ちょっとした体調の変化でも、気軽に立ち寄っていただけるとうれしいですね。

お忙しい日々かと思いますが、休日はどのように過ごされていますか?

本当はゴルフを楽しみたいと思っているのですが、なかなか時間が取れなくて…。昔は武道をやっていたこともあり、今でも年に数回、大会のときにスポーツドクターとして参加することがあります。懐かしい仲間と顔を合わせて、旧交を温める良い機会ですね。
もっとも、さすがに自分で道場に立つことはもうありません。いまやちょっと動いただけで息が上がってしまいますから(笑)。

さいごに、今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

野澤 健一先生の写真

これからも、地域の皆さまに信頼され、親しんでいただける医院であり続けたいと願っています。開業当初、このあたりにはとうきび畑が広がり、サイロのある家も見られるなど、昔ながらの北海道らしい田園風景が広がっていました。それから60年以上が経ち、地域の風景も医療の在り方も大きく変わりました。
病気の種類や治療法も日々進化していますが、そうした変化に柔軟に対応しながら、これからも患者さん一人ひとりに真摯に向き合い、力を尽くしていきたいと思っています。
将来的には、消化器内科を専門とする長男へのスムーズな継承も視野に入れ、地域医療を絶やさぬよう取り組んでいくつもりです。お体のことで気になることがあれば、どうぞ安心して、どんなことでも気軽にご相談ください。