父親の医院を継承後、大腸カメラ検査、総合内科を加え、診療内容を充実。地域の医療ニーズに幅広く対応する医院にリニューアル
はじめに、佐藤先生が医師を志したきっかけと、消化器内科を専門とされた理由をお聞かせください。
医師を目指したのは、父親の影響が大きかったと思います。高校生のときに、工学系に興味を持ち、進路の選択肢として工学部を考えたこともあったのですが、最終的には、消化器内科医として地域医療を守り続けてきた父のような医師になりたいという想いが勝りました。
消化器内科を専攻したのは、父の影響もありましたが、何より私自身が消化器内視鏡の操作技術やシステムに興味を持ったことが一番の理由です。実際、消化器内視鏡は、胃や腸管内を直接見ることができ、早期の病変であれば低侵襲で切除することも可能です。検査から診断、治療に至るまで深い知見や技術力が求められる領域だけに奥が深く、やりがいを感じています。
2代目院長を継承されるまでのご経歴を教えてください。
日本医科大学医学部を卒業後、信州大学医学部第二内科に入局し、信州大学医学部附属病院や信州医療センター、長野赤十字病院などの基幹病院で、胃がんや大腸がんを始めとする消化器疾患全般を幅広く診療し、消化器内視鏡による診療技術についても研鑽を積んでまいりました。その後、信州大学医学部附属病院に戻り、消化器内科で外来診療を受け持ちながら同大学の大学院に進み、主に大腸がんの研究で学位を取得しました。
2022年4月に貴院を継承されていますが、何かきっかけがあったのでしょうか?
私としては、いずれは父の医院を継承するつもりではいたものの、信州上田医療センターでの診療は、非常に充実していましたしやりがいも感じていましたので、継承するにしてもまだ先のことだろうと考えていたんです。ところが父の病気が再発してしまい、2022年、当初の予定より早く医院を継ぐことを決めました。
※2 日本消化器病学会消化器病専門医 ※3 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
継承されて3年目の2024年、医院を全面的に改装されています。
父が診療していた頃は、消化器内視鏡診療は胃カメラのみでしたが、私が得意とする大腸疾患にも対応できるように、大腸カメラの検査と治療の体制を整えました。内装も、クリーム色や茶色など落ち着く色合いでまとめ、患者さんがあまり緊張せず、リラックスして診療を受けていただけるようなデザインにしています。ご自宅のようにくつろげる居心地の良さを感じてもらえれば嬉しいですね。
胃カメラだけでなく、大腸カメラも受けられるようになるのですね。
はい。胃がん、大腸がんは進行がんになる前の早期発見であれば、治る可能性が高い疾患ですが、これまで勤務してきた大学病院などでは、胃がん、大腸がんの発見が遅れたために、大変な治療で苦しまれる患者さんも多くいらっしゃいました。また、じつは8年前、私が父の進行胃がんを見つけたのですが、そのときに改めて早期発見・早期治療の重要性を実感しました。
父の後を継いで地域医療を担うからには、地域の皆さんに末永く健康でいていただきたいという想いを強く持っており、地域のかかりつけ医の立場から早期発見・早期治療を目指し、胃カメラ・大腸カメラ検査を受けていただくメリットを啓蒙していきたいと考えています。そうした想いも、2代目院長を引き継ぐ覚悟を決めた理由の一つになっていますね。