更新日: 2025-05-27

基本情報

名称:
和田整形外科医院
診療科目:
整形外科, リウマチ科, リハビリテーション科
住所:
〒 390-0851
長野県松本市大字島内5024-5

電話番号0263-48-0200電話
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JR大糸線・島内駅から徒歩10分ほど、北アルプスの山並みを背に閑静な住宅街で地域医療を担ってきた「和田整形外科医院」がある。先代院長の急逝に伴い、2009年、島野晃雄先生が2代目院長を引き継いだ。
島野先生は、信州大学医学部の整形外科に入局し、専門の脊椎・脊髄の診療を中心に、骨折や捻挫、関節炎などの一般整形外科、手や腕のマイクロサージェリー(手術用顕微鏡を用いた微細な手術)、神経ブロック療法などのペイン(痛み)治療、リハビリテーションと幅広く研鑽を積み、高いスキルを獲得。整形外科専門医※1かつ関節リウマチ専門医※2の資格を有し、脊椎脊髄病医、スポーツ医、運動器リハビリテーション医としての研修も受けている整形外科のエキスパートであり、約15年にわたりバングラデシュで医療ボランティアに従事してきた経歴も持つ。

開業医に転身してからは、一般的な整形外科診療やリハビリにとどまらず、神経傷害や原因不明の難治性の疼痛、しびれの治療に全力を傾け、一般的な西洋医療だけでなく、代替医療にも選択肢を広げて実施している。「痛みやしびれで苦しんでいる患者さんを何とかしてあげたい」と話す島野先生に、開業までのご経歴やペイン治療を中心に医院の特長などを伺った。

※1 日本整形外科学会整形外科専門医 ※2 日本リウマチ学会リウマチ専門医

先端医療からリハビリまで幅広く研鑽を積んだ脊椎専門のエキスパートが、疼痛としびれのペイン(痛み)治療が特色の整形外科医院を運営

貴院の院長に就かれるまでのご経歴と、整形外科を専門とされた理由をお聞かせください。

島野 晃雄先生の写真

理数系の科目が得意だったこともあり、信州大学医学部に進学しました。卒業後は、同大学附属病院の臨床実習でさまざまな診療科を経験しましたが、その中でも、自らの手で治療を行い、その成果を目に見えて実感できる外科系の分野に大きなやりがいを感じました。一方で、腹部などの内臓を扱う診療科にはあまり馴染めず、自分には向いていないと感じたため、身体の構造が明確で、治療効果も比較的はっきりと現れる整形外科を専攻することに決めました。

整形外科全般を幅広く経験されたそうですね。

最初の数年間は、いくつかの基幹病院に勤務しながら、整形外科の専門研修を受けました。中でも佐久総合病院では、マイクロサージャリー(手術用顕微鏡を用いた微細な手術)による切断指の再接着など、多くの症例に携わりました。なかには、耕運機に巻き込まれて切断された腕を、指導医の先生とともに15~16時間かけて再接着したこともあり、今でも強く印象に残っています。また、同院の関連施設である日本農村医学研究所では、手の腱の再建や治癒に関する動物実験にも関わり、研究面での経験も積むことができました。
 
その後は長野赤十字病院にて麻酔分野の研鑽を積み、整形外科から麻酔科に転向された先生のもとで、硬膜外ブロックや星状神経節ブロックといった神経ブロック療法の基礎手技を習得しました。これらは、現在当院で行っている治療の重要な柱の一つにもなっています。

島野先生は、整形外科の中でも脊椎(背骨)が專門だと伺いました。

脊椎(背骨)の病気やけがは、適切なタイミングで手術を行わなければ、まひやしびれといった後遺症が残ってしまうことが少なくありません。一方で、手術をしても必ずしも症状が完全に消えるとは限らず、痛みやしびれが慢性的に続いてしまうケースも多くあります。
長野県立信州医療センターでは、そうした痛みやしびれに長く苦しむあまり、うつ病などの精神的な不調をきたしてしまう患者さんの姿を何度も目の当たりにしました。せっかく整形外科医になったのだから、こうしたつらい状況にある患者さんの力になりたい――そう思ったことが、脊椎を専門として選んだ大きな理由です。

バングラデシュで医療ボランティアに従事されたこともあるそうですね。

北信総合病院では、スキーやスノーボードによる骨折・捻挫といった外傷を中心に診療を行い、整形外科医としての基礎を徹底的に磨きました。その後、信州大学医学部附属病院に戻って脊椎の専門診療に従事していましたが、担当教授の退官をきっかけに大学内の人事が大きく動くこととなり、私自身も退職を決意。以降は、長野県内のリハビリテーション専門病院などで勤務を続けました。
その間、脊髄損傷や神経難病による手のまひに対し、腱移植による機能再建を数多く手がけていた橋爪長三先生に師事する機会に恵まれました。そして橋爪先生が整形外科の医療ボランティアとしてバングラデシュを訪れる際、私も同行するようになったのです。以降、勤務医を続けながら、年に1回・約2週間のペースで現地を訪れ、気づけば約15年にわたってバングラデシュでの医療ボランティア活動に携わることになりました。

2009年に貴院を継承されたそうですが、どのようなきっかけがあったのでしょうか?

当院の前院長が急逝されたことをきっかけに、急ぎ後継者を探しているというお話を伺い、たまたまご縁をいただいたのが始まりでした。継承者が見つからなければ閉院せざるを得ない状況であると聞き、私自身もちょうど、次のキャリアとして自分の目指す医療を地域の現場で実践してみたいという想いがあり、当院を継承することを決意しました。

和田整形外科医院の外観の写真
JR大糸線・島内駅から徒歩10分ほど、閑静な住宅街に位置する。駐車場も完備されていて車でも通いやすい医院