根治が目指せる「早期がん」の発見、早期治療のため、胃・大腸内視鏡検査受診の啓蒙・啓発活動にも取り組む
日々の診療で心がけていることはありますか？
今、もっとも力を入れて取り組んでいるのが、胃カメラ・大腸カメラ検査を受けるメリットを、できるだけ多くの方に知っていただくことです。「自覚症状がないのだから、病気じゃない」と思っていらっしゃる方が非常に多く、内視鏡検査はおろか便潜血検査すら受けていない方もいらっしゃいます。
しかし、特に、胃がん、大腸がんは、根治が目指せる「早期がん」の段階では自覚症状がほとんどなく、自覚症状が出たときには、転移のリスクが高まる「進行がん」になっていることが多いのです。自覚症状が何もないときにこそ胃と大腸の内視鏡検査を受けていただくことに、健康でいるための大きな意義があることを知っていただけるよう尽力しています。
胃・大腸内視鏡検査は、ハードルが高いと感じる患者さんも多いようですね。
そうですね。胃・大腸内視鏡検査は、痛い、苦しいという負のイメージをお持ちの方は少なくありません。しかし、技術が進歩して患者さんへの負担が少ない検査ができるようになっており、私自身も数多くの胃・大腸内視鏡検査を経験し、腕を磨いてきました。「自分はがん家系ではないから大丈夫」と思い込んでいる方もいらっしゃいますが、後悔することのないように、「たまには検診を受けてくださいね」と、お声がけするようにしています。
胃・大腸内視鏡検査の他に、どのような検査が受けられますか？
一般的な血液検査や胸部レントゲン検査の他に、新たに超音波検査（腹部エコー）装置を導入しています。腹部エコーでは、肝臓や膵臓、腎臓などの状態を確認することができますが、特に、肝硬変や肝臓がんのリスク要因といわれている「脂肪肝」について、蓄積している脂肪量を測れる機能を備えたものを採用しました。
当院でも受診の多い糖尿病の患者さんは脂肪肝になりやすいため、定期的に肝臓の状態を確認することで合併症予防にも努めています。
お忙しい日々だと思いますが、休日はどのように過ごされていますか？
最近は、家族でキャンプに行くことが多いですね。キャンプ場でテントを張ってバーベキューをして、けっこう本格的です（笑）。子どもたちと一緒に思いっきり遊んで楽しんで…私の活力剤になっていますね。
さいごに、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
先ほどもお話ししましたが、やはり、胃・大腸内視鏡検査の受診率を上げていきたいですね。まず、自分でできることとして、当院の患者さんに検診・受診をはたらきかけていますが、今後は、上田市全体で啓蒙活動に取り組めるよう、行政にも協力を仰いでいきたいと考えています。
医院のリニューアルに伴って、胃・大腸内視鏡検査をはじめ、地域のかかりつけ医として内科診療にもいっそう力を入れていきます。長年にわたり地域医療に貢献してきた父の想いを引き継ぎ、皆様が安心して受診できるクリニックを目指して尽力してまいります。どんなことでもお気軽にご相談ください。