「かかりつけ病院」として、総合的な内科診療を中心に、外来・リハビリ・入院・在宅医療をシームレスにつなぐ地域医療を提供
貴院の特長を教えてください。
外来による内科の総合診療を中心に、入院とリハビリテーション、在宅医療をシームレスにつないだ地域医療を提供していることが特徴です。
具体的に、外来診療では、一般内科全般、呼吸器疾患、消化器疾患、糖尿病、膠原病などの疾患に対応しつつ、循環器も含めた他の内科系疾患や、脳神経系、精神系、泌尿器系などの初期対応も、私をはじめ、常勤・非常勤の医師で、できるだけ幅広く診療しています。各種検診や予防接種といった予防医療、一部救急対応を通じて、かかりつけ病院としての役割を担っています。当院のみで対応困難な疾患は、周囲の医療機関へ紹介したり、併診での対応とすることもあります。
それに加えて、32床の地域包括ケア病床がありますので、主にリハビリや退院支援、終末期の方への入院医療を提供し、訪問看護と連携した在宅診療にも力を入れています。
貴院で提供しているリハビリテーションについてお聞かせください。
当院は、運動器リハビリテーションⅡ・呼吸器リハビリテーションI・脳血管疾患等リハビリテーションⅢ・廃用症候群リハビリテーションⅢの施設基準を取得し、入院患者さんを中心に各リハビリテーションを提供しています。
具体的に、理学療法では、歩行練習などの運動療法や、電気・温熱治療などの物理療法を用いて、身体の機能や動作の回復をうながし、自立した日常生活が送れるようにバックアップしています。
作業療法では、筋力・関節の動き・手の巧緻性(手指をうまく使えるか)などを評価しながら、入浴や食事など日常生活の動作や、手工芸、レクリエーションなどの作業活動を通して、身体と心のリハビリテーションを行っています。作業療法士が常勤しており、日常生活・家事動作などが円滑に行えるようサポートしていますので、お困りのことがあればお気軽にご相談ください。
また、当院には常勤でST(言語聴覚士)が常駐しており、話す・聞く・食べる・認知するといった機能がうまく働かない方に対して、適切なリハビリテーションを実施しています。特に、ご高齢の患者さんは嚥下の問題を抱えていることが多いため、日常的なリハビリだけでなく、誤嚥を予防するための勉強会なども開催し、多職種で連携しながら支援しているのも当院の特徴です。
どのような患者さんが多く来院されていらっしゃいますか?
外来診療については、風邪やインフルエンザといった急性疾患から、糖尿病や高血圧、関節リウマチといった慢性疾患まで、さまざまな疾患を抱えた患者さんが受診されています。なかでも私が専門とする呼吸器疾患と、糖尿病といった生活習慣病の患者さんが、特に多いかなという印象があります。
また、胃と大腸の消化器内視鏡検査と大腸のポリープの切除も行っていますので、検査を受けに来られる方もいらっしゃいます。
幅広い年代の方が来院されていますが、地域柄、やはりご高齢の患者さんが多いですね。それに伴って、認知症検査や認知症の方の入院受け容れなども行っていますので、そういったご相談をいただくことも増えています。通院が難しい方には、往診や訪問診療による酸素療法や栄養療法などの各種治療や、訪問看護を実施しています。
入院については、どのような患者さんが多いのでしょうか?
当院や関連施設の患者さんの緊急入院や、基幹病院などからの紹介による在宅復帰に向けたリハビリのための入院、退院時期を調整するための転院を中心に受け入れています。さらに、呼吸器不全の緩和ケアや末期がんの方のお看取りのための入院も多いですね。
外来診療・入院・リハビリ・在宅医療と総合的な機能を提供され、地域医療の中心的役割を果たされているのですね。
父の代から地域とのかかわりを大切にする中で、「当院が地域の皆さんの最初のよりどころであり、最期のよりどころでありたい」との想いで医療サービスを充実させ、全人的医療を目指してきました。今後も地域の皆さんの期待に十分に応えていくには、時代や環境の変化に合わせて診療体制を整えたり、システムや連携を見直したり、新たな人材を確保するなど、まだまだ改善できる点があると思います。一つずつ取り組みながら、さらに地域医療に貢献できるよう努めていきたいと考えています。