治療成果がわかりやすい手術治療にやりがいを感じ眼科医の道へ。生まれ育った地元へ恩返ししたいと開業を決意
はじめに、山村先生のご経歴と眼科を専門とされた理由を教えてください。

1995年に福岡大学医学部を卒業後、広島大学外科での研修を経て、東京歯科大学市川総合病院の眼科に入局しました。
もともと手術で患者さんを治すことに関心があったので、全身管理を学ぶために外科で研修を受けました。外科にもさまざまな領域があり、手術治療も多様ですが、眼科における手術はその成果がダイレクトに表れます。手術を受けた患者さんが「目がよく見えるようになった」と喜ぶ姿に大きなやりがいを感じ、眼科を専攻しました。
どのような疾患を診てこられたのでしょうか?
東京歯科大学市川総合病院は角膜を中心とした前眼部疾患の専門病院で、角膜や翼状片の疾患、ドライアイ、白内障、緑内障などの治療をはじめ、角膜が薄くなって円錐形に突出する先天性の病気である円錐角膜の専門外来などもあり、レジデントとしてさまざまな疾患について学ばせていただきました。
その後、広島県に戻り、地域の中核病院で研鑽を積みました。目の病気の多くは、眼球自体になんらかの病気が発生するものですが、まれに脳など目以外のところで起こった病気の影響から目の神経や筋肉の働きに支障が生じて、見えにくくなったり眼球が動かなくなったりする症状が出ることがあります。こうした疾患を診るのが神経眼科で、私も多発性硬化症やバセドウ病に付随した甲状腺眼症などの診療にあたって経験を重ねました。合わせて、白内障や緑内障、糖尿病網膜症といった一般的な眼疾患の診療や、角膜移植手術、網膜硝子体手術などにも携わりました。
また、基幹病院の眼科では、網膜剥離、糖尿病網膜症、網膜血管閉塞症、黄斑上膜、黄斑円孔といった網膜硝子体疾患の手術治療や、白内障、緑内障の手術などを数多く担当しました。難症例の患者さんも多い病院でしたので、幅広い疾患に携わり経験を積むことができたと感じています。
そして2010年に貴院を開業されました。どのような想いから開業を決意されたのでしょうか?
当院のある広島市東区は私が生まれ育った場所で、幼稚園から高校までずっと東区で過ごしてきました。当時は再開発が進む前で今のような賑わいもなかったのですが、地元に対する強い思い入れと、お世話になった地域の方々に恩返しができればと思い、この場所に開業しました。
