祖父や父の姿を見て医師を志す。外科専門医として研鑽を積んだ後、30年続くクリニックを継承
はじめに、医師を志したきっかけと、外科を専攻された理由をお聞かせください。
父と祖父が医師で、「秋本外科クリニック」は外科医である父が1990年に開業したクリニックです。幼い頃から祖父や父が診療を行っているのを見て育ち、「病気や怪我をした患者さんから頼られてかっこいいな」と憧れを抱いていました。そうした環境だったこともあり、「後を継いでほしい」と父に言われるまでもなく自然と医師を志していましたね。
生まれ育った広島を離れ、埼玉医科大学に進学しましたが、卒業後はまた広島に戻り、広島大学病院での初期臨床研修を経て、同大学の消化器・移植外科に入局しました。外科手術を通して全身のマネジメントができるところにやりがいを感じたのが専攻の理由です。
その後、県内の中核病院の外科に勤務されたそうですが、主にどのような疾患を診ていたのでしょうか?
その後、臓器移植医療に興味を持つようになり、広島大学病院や呉医療センターなどで腎臓移植、肝臓移植の研究や、腎臓移植を中心とした臨床経験を積みました。ときに緊急手術も発生するような緊張感のある医療現場での経験では、大きな学びを得ることができましたね。
※血液透析を行う際に、血液を脱血したり返血したりするための出入り口のこと
そして2023年にクリニックを継承されました。継承を決意された思いをお聞かせください。
いずれは父の後を継ぎたいと思っていましたが、勤務医として10年以上働き、「外科医として培った経験や強みを生かし、今後はかかりつけ医として地域の患者さんの全身のマネジメントを行いたい」という思いが強くなり、継承を決意しました。近年、外科の診療所が少なくなっていることもあり、そのニーズの高まりを感じたタイミングでもありました。