医師である両親の姿を見て同じ道へ。肝臓疾患を中心に消化器内科医として研鑽を積んだ後、3代目として医院を継承
歴史ある医院とお聞きしました。石田医院はいつ頃、開院されたのでしょうか。
石田医院の始まりは、1947年、私の祖父がビルマから帰還した後に開院した「吉田医院」になります。その後、母である石田秀子が継承し、1990年に医療法人石田医院と改名しました。2003年からはデイサービスの運営も始めるなど、診療以外の形でも地域の医療ニーズに応えてまいりました。
母はここで内科医を、そして父も消化器内科の勤務医でしたので、小さい頃から地域医療に貢献している両親の姿を見て育ち、自然な流れで医師の道に進むことを決めていましたね。私が3代目として石田医院を継承し、現理事長である母にも代診や往診などで協力してもらいながら、一般内科、消化器内科を中心に、戸坂の皆さんの健康を支える「かかりつけ医」として診療を続けています。
石田医院を継承されるまでの経緯や、消化器内科を専攻した理由をお聞かせください。
東京の東邦大学医学部で6年学んだ後、「広島で医師としてのスキルを磨き、医院継承に備えたい」という思いがあって、研修医となるタイミングで広島に戻る道を選び、広島大学病院や安佐市民病院(現・広島市立北部医療センター安佐市民病院)で、研修医として内科をローテーションした後、消化器内科に入局しました。
消化器内科を専攻したのは、「いずれ石田医院を継ぐために」ということもありましたが、当時、B型・C型肝炎などのウイルス性肝炎において、自分の免疫の力を高めてウイルスの増殖を抑えたり排除したりする「インターフェロン治療」から直接ウイルスを阻害する「直接作動型抗ウイルス薬治療」への過渡期にあった肝臓疾患治療に興味を持ったことが大きいですね。臨床では、ウイルス性肝炎だけでなく、非アルコール性脂肪性肝炎(アルコールを飲まないのに発症するアルコール性肝炎に類似した肝炎)の症例にも数多く携わってきたほか、大学院に進学して、ここでも肝臓疾患の研究に従事してきました。
大学院を卒業して3年ほど、肝臓疾患だけでなく幅広い消化器内科領域の臨床経験も積んだ後、出産、子育てが落ち着いたタイミングで石田医院を継承しました。