治療に一番大切なのは患者のモチベーション。患者の生活や気持ちに寄り添い、不安を軽くする診療をめざす
日々の診療で心がけていることを教えていただけますか?

病気を治療する上で、医師の診断や薬の処方はもちろん重要ですが、何より大切なのは、患者さんご自身が病気と向き合い、積極的に治療に取り組もうとするモチベーションを持つことだと考えています。当院では、そのモチベーションが高まるような診療を心がけています。
例えば、2型糖尿病の治療では、経口薬や注射による血糖コントロールが必要になることもありますが、治療の基本となるのは適切な食事と運動です。日々の生活習慣を意識することで、治療効果に大きな違いが生まれます。
そのため、患者さんに検査結果やお体の状態をお伝えする際には、単なる数値の説明にとどまらず、生活状況を伺いながら具体的なフィードバックを行うよう努めています。「この行動が良い結果につながっていますね」「ここを少し工夫すると、さらに改善が期待できますよ」といった形でお伝えすることで、病気への理解を深め、前向きに治療に取り組んでいただけるようサポートしています。
これからも、患者さんが納得し、前向きな気持ちで治療に向き合えるよう、一人ひとりに寄り添った診療を大切にしていきたいと思います。
患者さんの生活に密着した診療は、地域のかかりつけ医ならではといえますね。
ややもすれば少しおせっかいに聞こえてしまうかもしれませんが、患者さんの一番身近なところで、患者さんの生活やお気持ちに寄り添いながら、患者さんに伴走して治療を進めるというのは、地域のクリニックだからこそできることであり、地域のクリニックの役目だとも考えています。
その役目を果たすためには、患者さんが話したいことを気兼ねなく話し、疑問があればいつでも聞けると思っていただけることも重要ですので、そうした雰囲気づくりにも気を配り、地域の皆さんから頼っていただけるクリニックとなることをめざしています。
診療時間外はどのようにお過ごしになっていますか?
当院には車で通っているのですが、音楽を聴きながら運転する時間がいい気分転換になっています。好きな曲を流しながらのドライブは、仕事のオンとオフを切り替えるのにちょうどいいですね。
最近はゴルフを始めたので、休みの日には友人とコースに出ることが増えました。まだ始めたばかりなので、ほぼ練習といった感じですが(笑)、ゴルフは歩く距離も多く、良い運動になります。冬はスキーにもよく行きます。やっぱり体を動かすのは気持ちがいいですね。
さいごに、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

消化器の病気にはさまざまなものがありますが、早期発見ができれば、治療の選択肢も広がり、より負担の少ない治療が可能になります。内視鏡検査は病気の早期発見に非常に有効で、最近ではAI技術を用いて内視鏡検査の精度を一層高めるといったことも可能になっています。当院でもそうした技術を適宜取り入れ、よりよい医療を実現できるよう努めてまいりますので、一定の年齢を迎えた方や、胃腸の不調が気になる方は、ぜひ内視鏡検査を受けていただければと思います。
また、強い症状がなくても、「なんとなく調子が悪い」「ちょっと気になる違和感がある」といったことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。「この症状で受診していいのかな?」と迷われることもあるかもしれませんが、当院で診察した上で必要があれば適切な医療機関へご紹介することもできます。
私は、患者さんと医師は上下関係ではなく、基本的に対等な関係であるべきだと考えています。お体に不調を抱え、気持ちのゆとりを失ってしまうこともあると思いますが、当院はそうした患者さんが気兼ねなく悩みを話せる場所でありたい、そして医師として適切な医療を提供し、地域の皆さんの健康をサポートしたいと思っています。患者さんがご不安を少しでも軽くして、笑顔でお帰りいただける——そんな地域のクリニックをめざし、これからも日々努めてまいります。