中耳炎や咽頭炎、めまいといったつらい症状の早期改善とともに、がんなどの重大な病気の早期発見にも尽力
現在、どのような患者さんが多く来院されていますか?

年齢を問わず、幅広い世代の患者さんにご来院いただいています。のどの痛みや鼻水、鼻づまりといった鼻の症状、めまいを主訴に受診される方が多く、特にお子さんでは耳の痛みや発熱を伴う中耳炎のケースがよく見られます。
ご高齢の方にも多くご利用いただいていますが、当院では補聴器の販売や調整は行っておりません。その分、発熱や痛み、めまいなど、日常生活に支障が出る症状や、重大な病気が隠れている可能性のある症状については、できる限り原因を突き止め、適切な対応につなげられるよう、真摯に診療を行っています。
小田切先生は、“初期救急医療”的な診療を実践されているそうですね。
できる限り病気の初期段階で診断し、早期に介入していくことを心がけています。耳鼻咽喉科というと「鼻水」や「咳」、「のどの痛み」といった症状で受診される方が多いのですが、その中には重大な疾患が隠れていることもあるんです。
たとえば、「のどが痛い」と訴えられても、痛みの部位、程度によって対策はまったく異なります。ですから、症状の訴えを丁寧に聞き取り、胸の音を聴診したり、のどの奥など肉眼では見えない部分はスコープで確認したりします。その結果、気管支、すなわち、肺からの出血が見つかり、連携する総合病院で精査したところ肺がんが発見されたケースもありました。
めまいも同様です。多くは耳の疾患が原因ですが、診察の過程で「耳ではなさそうだ」と感じることもあります。実際に、隣接する脳神経外科に紹介してMRIを撮っていただいたところ、脳の病気が見つかり、それが原因だったという例もありました。
初期診療の段階でよく診察をして、異変を見落とさないように的確な診断に努めているのですね。

そうですね。あらゆる可能性を念頭に置きながら、一つひとつ丁寧に確認し、診断を導いていくようにしています。これは、外科医時代に身につけたトリアージの経験が今も活きていると感じます。
医師になってから一貫して、「命を救いたい」「人を生かしたい」という思いを大切にしてきました。耳鼻咽喉科の診療では、重篤な病気に直面する場面は多くありませんが、症状の陰に重大な疾患が潜んでいることはあります。だからこそ、初期診療の段階で異変を見落とさず、必要な治療や検査につなげること――それが私の考える“初期救急医療”です。地域のクリニックとして、重大な病気を見逃さない「最初の砦」でありたいと思っています。