「ゆっくり、焦らず、確実に」。患者一人ひとりに満足してもらえる医療を実践
日々の診療で心がけていることはありますか?
私の座右の銘は、「ゆっくり、焦らず、確実に」です。
かかりつけ医の役割は、地域の方々が豊かな生活を送るための手助けをすることだと考えており、そのために必要なのは、患者さんと真摯に向き合い、納得のいく医療を提供することだと思っています。いくら良い医療を提供しているつもりでも、患者さん自身が納得のいく治療になっていなければ意味がありません。
これからも、患者さんお一人おひとりにゆっくり向き合い、わかりやすく、ていねいにお話しすること、そして満足していただける医療を提供できるように尽力してまいります。
訪問診療も行っていると伺いました。
はい、この地域もご高齢の方が増えてきていますので、通院が難しい患者さんのために訪問診療にも力を入れて取り組んでいます。
今のところ、足が悪く歩けない方や病気の後遺症で麻痺がある方が比較的多く、高血圧などの全身管理を含めて在宅療養をサポートしています。ほかにも末期がんの方のターミナルケアや、人工膀胱・人工肛門の管理、在宅酸素療法、中心静脈栄養など、在宅療養に必要な医療に対応しています。
訪問診療では、ご家族と話す機会も多く、しっかり説明して不安を解消し、安心・納得してもらうようにしています。これからも、患者さんご本人はもちろん、ご家族とのコミュニケーションを欠かさずに、医療だけでなく生活を見守り支えていければと思っています。
お忙しい日々だと思いますが、休日はどのように過ごされていますか?
土いじりが趣味なんです。土を耕して、旬の作物を植えて楽しんでいます。今年は、きゅうりを育てようと苗を買ってきて植えたつもりだったのですが、どんどん太い茎が出てくる。「なんじゃこりゃ」と様子を見ていたら、かぼちゃができた(笑)。後から植えたきゅうりも、大きなかぼちゃが日陰になって枯れてしまってね。今は、さつまいもを植えて、秋の収穫を楽しみにしています。
あとは、小メダカをもらったので飼い始めました。うちの裏にはすぐに田んぼがあって、溜池もたくさんある。自然に囲まれているので気分転換はしやすいですね。
さいごに、今後の展望や読者へのメッセージをお願いいたします。
高齢化社会に伴い訪問診療を必要とする患者さんも増加傾向にあります。通院できずにお困りの患者さんのお役に立てるように、引き続き、外来診療はもちろん、訪問診療にも力を入れてきたいと考えています。
残念ながら、病気の中には、根治できないものや治りにくいものもたくさんあります。そのような病気を抱えている患者さんに対してもぜったいに諦めず、患者さんが豊かな生活を送れるように一緒に改善を目指してまいります。
気になる症状を感じていたら、がまんしすぎて悪化させないように早めに受診してください。じっくり患者さんと向き合っていきたいと思っています。