胃がんや大腸がんをはじめとする病気の早期発見・治療に寄与したい、と岩国の地に開業
はじめに、先生が医師を志したきっかけを教えてください。
「人の命を救いたかった」…なんてかっこよく言いたいところですが、そんな立派な志はまったくなかったんです(笑)。
私は元々、浪人して東京大学法学部をめざしていましたが、受験直前に母親から突然、「医師にならないか」と言われたんです。医学部受験なんて考えてもいなかったのですが、その一言が進路を考え直すきっかけになり、岡山大学医学部へ進みました。
消化器外科を専門にされたのはどうしてでしょうか?
消化器外科を専攻した理由もまた、自分の強い意思があったわけではありません。
大学時代、医学部の野球部に所属していて、そこでかわいがってもらっていた先輩方の多くが外科に進まれていて、消化器外科の医局に誘っていただいたというのが理由の1つ。もう1つは、医療ドラマの影響です(笑)。手術で次々と患者を救う外科医の格好良さに憧れたというのが大きかったですね。
お恥ずかしながら、周囲に流されるような形で消化器外科医になったわけですが、やるからには何事にも全力投球しないと気が済まない性格で、「一流の技術を極めたい」と大学卒業後は国立岩国病院(現 国立病院機構 岩国医療センター)や地域の基幹病院などで胃がん、大腸がん、胆のう炎など消化器疾患の診断から検査、内視鏡治療、外科手術まで積極的に経験を積み、腕を磨いてきました。
開業を決めた理由をお聞かせください。
近畿や四国の病院で10年ほど勤務医を続けていましたが、胃がんや大腸がんなどが進行して、手の施しようがない状態になってしまった患者さんの診療に携わることも多く、「早期発見できれば根治も望める時代なのに、どうしてこれほど多くの患者さんが苦しまねばならないのか」と悩み、予防医療やがんなどの重大疾患の早期発見に力を尽くしたいという思いが強くなったことが大きな理由ですね。
また、将来のことを考えたときに、岩国に残してきた親のことが心配でしたし、いずれは地元の地域医療に貢献したいという思いもありました。
そこで、1999年、胃がんや大腸がんをはじめとする疾患の早期発見・適切な治療に繋げるための「極力痛みを抑えた内視鏡検査」を軸に、地域のかかりつけ医の役割も担うべく、風邪や生活習慣病などの一般内科疾患や肛門疾患などまで幅広く対応する「やましたクリニック」を開業するに至ります。
「痛みに配慮した内視鏡検査」は今では一般的になりましたが、開業当時はまだ目新しい検査方法でしたね。