腹腔鏡手術による治療効果を追求しながら「手術を受けたことを忘れてしまう」ほど、患者の心身への負担をゼロに近づけるのが目標
COKUでは、どのような診療が受けられるのか特長を教えてください。
【大塚医師】COKUは、限りなくゼロに近い単位の「虚空（こくう）」が由来で、患者さんが「手術を受けたことを忘れてしまう」ほど、心身に負担の少ない低侵襲の根治手術を提供したいという想いを込めて命名しました。
腹腔鏡による鼠径ヘルニアの手術については、お腹の中まで入らず鼠径ヘルニアの穴を塞ぐTEP法（完全腹膜外修復法）と、お腹の中から鼠径ヘルニアの穴を塞ぐTAPP法（経腹的腹膜外修復法）の両方の術式を行っています。我々はTEP法 を第一選択しており、TEP法の中でも小さな傷一つで行う単孔式TEP法（SILS-TEP）を中心に手術を行っております。しかし、患者さんの状態によっては、TAPP法や鼠径部切開法のほうが安全性が高いこともあります。当院では、血液検査、心電図検査、CT検査といった術前検査をしっかりと行い、患者さんやご家族とよく相談しながら、適切な治療法をご提案しています。
【三賀森医師】鼠径ヘルニアなどの良性疾患に対する外科手術は、がんなどの悪性疾患の手術にくらべると、さほど難しいものではないと捉えられていますが、患者さんにとっては難易度に関係なく、同じ手術です。全身麻酔を受けて体にメスを入れることの不安は計り知れないものだと思いますから、手術前の説明に十分な時間をかけ、患者さんの不安やお悩みを解消するように心がけています。
また、できる限り安全な環境で行うため、新しい手術機器を導入し、麻酔科専門医による麻酔管理のもと、患者さんの体や心への負担が少なくなるように、ていねいな手術を行っています。さらに、当院では、日帰りまたは短期入院を選べるようになっており、患者さんをなるべくお待たせすることなく、早期に治療を受けていただける点も大きな特徴だと思います。
日帰りで手術を受けられるのですか？
【大塚医師】術前・術後を通して、手術に対する患者さんの不安を少しでも和らげられるように、私たち医師だけでなく、経験豊富な看護師やスタッフが丁寧にサポートさせていただきます。麻酔科専門医※5も在籍しており、安全な周術期（手術前から手術後まで）管理に取り組んでいますので、安心して受診していただければと考えています。
※5 日本麻酔科学会麻酔専門医
2024年4月からは、胃・大腸の内視鏡検査・治療や消化器ドックも開始されるそうですね。
【大塚医師】4月から消化器内科の先生にも常勤医師として在籍いただき、胃・大腸の内視鏡検査と治療、一般診療や血液検査なども含んだ消化器ドックを行う予定です。ごく初期の大腸ポリープについては、日帰り手術で内視鏡的切除も行い、早期の消化管がんに対しては短期入院での内視鏡的粘膜下層剥離術（ESD）も行う予定です。早期発見・早期治療の重要性をお伝えしながら、一人でも多くの方に受診していただければと思います。