「優しく寄り添う診療」をめざし、患者の目線に立った医療と、進化を続ける専門性で日々の診療に向き合う
迅速検査体制について、詳しく教えてください。

検査については、糖尿病などの慢性疾患や甲状腺疾患だけでなく、心筋梗塞や脳梗塞、大動脈解離といった極めて緊急性の高い病気も検索できるような高精度な機器を揃えて、迅速に対応できるようにしています。
実際、体調不良を訴えて初診で来院された患者さんに血液検査を行ったところ、深刻な異常値が検出され、肝臓がんの疑いが強かったため、ただちに基幹病院へご紹介したケースもありました。
糖尿病などの慢性疾患では、迅速検査で、その日の状態をお知らせできますので、振り返りをしていただき、改善につなげていただくのに役に立っていると考えています。糖尿病の指標であるHbA1cの測定においては、当院ではHPLC(高速液体クロマトグラフィー)法という大学病院などで用いる高精度な方法を採用しています。採血直後の新鮮な血液を用いて行う正確な検査です。健診などで測定された値よりも高く出ることがありますが、それは検査の精度の違いによるものです。このような点も含め、検査結果については患者さんが納得し、安心して治療に取り組めるよう、丁寧な説明を心がけています。
血液検査は化学反応が終了するまで、一定の時間がかかるため、どうしても、皆様をお待たせしてしまいます。待たせ過ぎとお叱りをうけることもあるのですが、急ぎの方は次回来院時に結果をご説明することもできますので、遠慮なくおっしゃってください。
日々の診療で大切にされていることを教えてください。
当院に通われているのは、糖尿病や高血圧、甲状腺疾患など、長期的な管理が必要な慢性疾患の患者さんがほとんどです。そのため私は、病気だけを見るのではなく、患者さんお一人おひとりがどのような思いで治療に向き合っているのかを大切にしながら診療にあたっています。
たとえば、「できるだけ通院の回数を減らしたい」とお考えの方もいれば、「あまり間隔を空けたくない」と定期的な受診に安心を感じている方もいらっしゃいます。治療に対するスタンスや目標は人それぞれ異なるので、まずはその想いを共有し、無理のないペースで、できる限りストレスを感じずに治療を続けられるようサポートしたいと考えています。
「優しく、寄り添う診療」をめざし、患者さんにとって通いやすく、話しやすいクリニックでありたいと思っています。
お忙しい毎日かと思いますが、休日はどのように過ごされていますか?
音楽を聴くのが好きで、よい気分転換になっています。特に、あまりメジャーではないインディーズ系のアーティストや、個人で音楽活動をしている方の作品をよく聴いています。
最近はYouTubeでそうした楽曲が気軽に聴けるようになったので、自分のペースで気になるアーティストを見つけたり、新しい音に触れたりするのが楽しみですね。診療とはまったく違う世界に身を置くことで、リラックスできる時間になっています。
さいごに、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

医療の世界は日々進化を続けています。私自身もその変化にしっかりと向き合いながら、常に学びを重ね、より質の高い医療を提供できるよう努めています。糖尿病や高血圧、脂質異常症といった慢性疾患は、自覚症状が少ないまま進行し、放置すれば命に関わる重大な病気を引き起こす可能性もあります。だからこそ、早い段階で専門的な診断と適切な治療を受けていただくことが大切です。
当院では、一人ひとりの患者さんに寄り添い、それぞれの生活や価値観に合わせた診療を心がけています。「こんなことで受診してもいいのかな?」と思うようなことでも構いません。どうぞお気軽にご相談ください。