更新日: 2021-10-14

基本情報

名称:
純子ウィメンズクリニック自由が丘
診療科目:
婦人科
住所:
〒 152-0035
東京都目黒区自由が丘2-16-11 メイプルヒルズII

電話番号03-3718-1333電話
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低用量ピルや漢方薬をうまく活用して、月経に伴うさまざまな症状を改善

どのような患者さんが来院されますか?また、診療の際に心がけていることを教えてください。

比較的若い方が多く来院されています。日常生活に支障をきたすような下腹部痛や腰痛があらわれる月経困難症、月経前にイライラしたり体調が悪くなるPMS(月経前症候群)、月経不順など月経に関する悩みを訴える20代の患者さんが多いですね。その他、不正出血、デリケートゾーンの悩みなどの一般婦人科領域から、更年期障害、不妊の相談、子宮がん検診、妊婦健診まで年代層も主訴も多様な患者さんがいらっしゃいます。

矢内原純子院長の写真2
患者さんのお気持ちに寄り添い、さまざまな観点からサポートできるように心がけています。

女性にはさまざまなライフステージがあります。月経が始まる思春期から、妊娠、出産を迎える成熟期、閉経期を経て老年期まで。当クリニックでは、患者さんの症状や悩まれていることをよくお聞きして、お一人おひとりのライフステージやお気持ちに寄り添い、女性ホルモンによる体の変化も踏まえた診療、食事指導、運動の取り入れ方などさまざまな観点からサポートできるように心がけています。
また、手術が必要な方や、初めての妊娠・出産を迎える方は、いろいろ不安に思うことも多いでしょう。そういった方々には大学病院での経験から、手術や分娩の状況を詳しくお話しすることで、患者さんの疑問を解決して、少しでも不安が和らぐように努めています。

ピルや漢方の処方にも積極的に取り組んでいるとお聞きしました。

一般的には避妊薬として認識されているピルですが、近年は、月経困難症、月経量異常、月経前緊張症など月経に関するさまざまな症状の改善に使用されるようになりました。 具体的に、低用量ピルに含まれる卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類の女性ホルモンには排卵を抑制する作用があり、服用すると子宮内膜は薄く保たれます。その結果、月経量が減少して、生理痛など月経に伴う症状の改善につながります。
また、低用量ピルは子宮内膜症の治療にも有効です。子宮内膜症は本来子宮の中にしか存在しないはずの子宮内膜が、子宮以外の骨盤内や卵巣などに発生する病気です。病変部分の内膜も月経の度に出血し炎症を起こすため、ひどい痛みを伴いますが、低用量ピルの服用で子宮内膜症の痛みを緩和させるとともに、病変を縮小させる効果が期待できます。

ピルを使用する前には必ず、子宮や卵巣の超音波検査や血液検査を行い、婦人科系疾患や血栓症、肝機能などのリスクがないことを確認することが大切です。また、服用を開始して数日のうちは吐き気や頭痛、不正出血などの副作用があらわれることがあります。この副作用がひどい場合や軽減しない場合には、ピルの種類を変更したり、他の原因がないかを調べたりする必要があります。

そして、漢方診療ですが、これは漢方薬で症状が改善した自分の経験をきっかけに専門的に勉強しました。まず、西洋医学で診療を行い、明らかに婦人科系の疾患がある場合はその治療を行います。西洋医学では異常が見当たらないのに痛みの症状や不調が治らないというような場合や、漢方薬が向いていると考えられる患者さんには、漢方診療の選択肢もお伝えして、ご希望があれば西洋医学とうまく組み合わせてご提案しています。

月経困難症がそれほど重症ではない方、ピルに抵抗のある方には漢方薬をお勧めすることが多いですね。また、ピルの副作用がひどい場合に、その副作用の症状を漢方薬で緩和してピルを服用できる体質に整えていく治療を行うこともあります。
低用量ピルや漢方薬をうまく活用することで、多くの女性が月経に伴うさまざまな症状から解放されてほしいと願っています。