高度医療機関や地域病院で培った診療技術を地域に還元するため、内科と消化器内科・内視鏡のクリニックを開業
はじめに、丁先生が医師を志したきっかけをお聞かせください。
父が健康意識の高い人で、「食事の内容や食品添加物に気をつけなさい」と言われながら育ったこともあり、子どもの頃から病気に興味をもっていました。それに加えて、中学1年生のときに母が心臓病で他界してしまい、身近な人の大病を間近で見ていたせいか、病気や健康について考えることが多く、医療を身近に感じたことが医師を目指したきっかけです。
内科と消化器内科を専門にされたのは、どのような理由からでしょうか?
内科は、消化器内科を中心として生活習慣病含めた多種多様な内科疾患にも対応します。また、内科医は患者さんにとって身近な存在で、日頃から体のさまざまな不調について相談にのります。慢性疾患の場合は、10年、20年と長年にわたって患者さんの健康を支えていくこともあるので、そうした点にも魅力を感じました。
内科の中でも消化器内科を専門としたのは、消化管の内視鏡手技や鮮明な画像による診断方法が興味深かったからですね。画像によって消化管の病変の顔がはっきり見えるのが画期的で、診断や治療方針もつけやすいですし、内視鏡の手技や診断技術を磨いて、病気の早期発見・早期治療に貢献していきたいと考えました。
開業までのご経歴を教えてください。
韓国の高麗大学医学部を卒業後、同大学付属病院でインターン(初期研修)を終え、日本の医師国家試験に合格したタイミングで生まれ育った広島県に戻り、研修医として国立病院機構呉医療センター・中国がんセンターの内科に入局しました。同医療センターは地域の中核病院で、がん診療の連携拠点病院でもあるので、がんを含めた内科全般の幅広い疾患について研鑽を積むことができ、さらに消化器内科の指導医のもと、胃・大腸内視鏡検査や腹部超音波検査をはじめ消化器内科の診療にも携わりました。
その後、広島大学病院消化器内科に入局し、広島赤十字・原爆病院や広島大学病院で消化管や肝疾患など、より専門的な消化器診療に幅広く携わってきました。広島大学大学院の分子病態制御内科学にも在籍しながら臨床診療も継続し、知見を深めてまいりました。
その後、広島から東京に移られたそうですね。
はい。大学院卒業後に東京近郊に移り住み、平塚胃腸病院(現・池袋西口病院)や慈生会野村病院など地域に密着した病院に勤務し、内科全般を幅広く診療しながら、消化器内視鏡検査・治療にも積極的に取り組んできました。特に、平塚胃腸病院(現・池袋西口病院)では、ほぼ毎日内視鏡検査に入っていましたので食道がん・胃がん・大腸がんなど早期発見から治療まで、多数の消化器内視鏡診療に携わることができ、スキルアップにつながったと自負しています。
高度医療にも携わってきた丁先生が開業医へと転身されたのは、何かきっかけがあったのでしょうか?
長年にわたって研鑽を積んできた消化器内視鏡の技術や、内科・消化器内科診療の経験を活かし、できるだけ長く地域医療に貢献していくには、勤務医と違って定年のない開業医のほうが向いていると考えたのです。下北沢にはもともとなじみがありましたし、近隣にお住まいの方だけでなく、お勤めの方、学生さんなどにも気軽に通っていただきたいという思いで、下北沢駅からも近いこの場所に開業しました。