更新日: 2023-06-20

基本情報

名称:
みなかわ整形外科
診療科目:
整形外科, リハビリテーション科, リウマチ科, 外科
住所:
〒 206-0002
東京都多摩市一ノ宮3-1-3 桜ヶ丘Kビル3F

電話番号042-310-6066電話
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京王線・聖蹟桜ヶ丘駅西口から徒歩2分、大通りに面したビルの3階にある「みなかわ整形外科」。2010年に開業した同院は、地域のかかりつけ医として患者さんのけがや痛み、骨粗鬆症などの慢性疾患に幅広く対応。患者さんの健康を生涯にわたって守る“よきパートナー”となることを目指し、患者さんの声に耳を傾けながら診療にあたっている。

院長の皆川邦朋先生は、整形外科専門医として関節・脊椎の疾患や骨折、骨軟部腫瘍、脊椎脊髄腫瘍など、整形外科疾患全般の治療に携わってきた。しかし、その類いまれな経歴は整形外科領域にとどまらない。7年間在籍した高度救命救急センターでは、多発外傷をはじめとする重篤な患者さんの治療にあたり命を救ってきたほか、講師として教育も担当。副院長に就任した民間病院では、精神疾患を患った患者さんの運動器リハビリテーションに積極的に取り組んだ。そうして多様な分野を横断して豊富な臨床経験を積み、整形外科医・外傷医として培ってきた技術と思いが、同院の医療に活かされている。今回は、医師を志したきっかけ、多様な経験を重ねてきた経緯、提供する医療への思いなどについて伺った。

独自のキャリアを歩み、多様な経験を経て整形外科医・外傷医のプロフェッショナルに

はじめに、医師を志したきっかけをお聞かせください。

皆川先生の写真

中学3年生の新学期を迎える春、スキーで足を骨折して治療を受けたのですが、1年後に同じところの骨が折れてしまいました。その2回の骨折治療で出会った医師に憧れを抱いたのがきっかけですね。「自分も誰かの助けになりたい」と医師を志し、杏林大学の医学部に進学しました。

1990年に大学を卒業し、杏林大学医学部の救急医学教室で2年間、研修医として勤務されました。なぜ救急医学教室を選ばれたのですか?

医学の分野の一つに、事故や災害、犯罪や戦争などによる重篤な外傷を治療する外傷学があります。私はその外傷学を専攻したかったのですが、当時の日本には多発外傷学を学べるところがありませんでした。そこで、外傷医となるために必要なスキルを一つずつ身につけていこうと考え、その第一歩として救急医学教室で経験を積もうと考えたのです。救急医学教室では、内科的な疾患も外科的な症状も含め、患者さんの頭から足先まで全身を診ることになります。そこで多くの患者さんの治療を経験し、全身管理を学びました。

研修修了後は、同医学部の整形外科教室に入局されました。

体の複数の箇所に重篤な外傷が生じた状態を多発外傷といいます。私は外傷の中でも多発外傷を診られるようになりたいと考え、そのために局所管理を学ぼうと整形外科教室に入りました。大学病院や関連病院で、関節や脊椎の疾患、骨折、骨軟部腫瘍や脊椎脊髄腫瘍など、急性疾患も慢性疾患も含めて整形外科疾患全般の臨床に携わり、研鑽を重ねました。
 
2000年からは、整形外科教室から同医学部付属病院の高度救命救急センターに出向しました。高度救命救急センターでは外傷医として、多発外傷や重症軟部組織感染症などの治療にあたったほか、医長・講師として教育も担当しました。
 
高度救命救急センターで外傷医として働いていた7年間は、1年365日、24時間昼夜問わず、呼び出しに応じて治療を行う日々でした。忙しくもそれが外傷医としての使命と考え、とてもやりがいを感じていたのですが、私自身、甲状腺の病気を患って、そうした対応が難しくなってしまったんです。そんなとき、民間の精神科病院からお声がけをいただいて、2007年に大学病院を退職し、その精神科病院の副院長に就任しました。

整形外科医・外傷医である先生が精神科病院という領域に進まれた理由をお聞かせいただけますか?

精神疾患を患った患者さんの中に自傷行為や自殺を図って外傷を負い、救命救急で手術などの治療を受けることが少なくありません。ただ、初期治療後のリハビリまでを救命救急で診ることは非常に難しく、整形外科や精神神経科の一般病棟でも受け入れ困難であることが大半で、患者さんを受け入れる場所がないという課題を抱えていました。
 
お声がけいただいた精神科病院は、リハビリ室を備え理学療法士さん、作業療法士さんを配置して、精神疾患の患者さんの運動器リハビリテーションに力を入れようとしていました。その医療は私の長年の課題感とも合致するものであり、病院や患者さんの力になることができればと思い、移籍を決めました。
 
病院では、外傷を負った精神疾患の患者さんの受け入れに取り組みました。初期治療は大学病院の救命救急で行い、そのあとのリハビリテーションを病院で担当するという流れです。外傷医として、精神科医や理学療法士、作業療法士とチームを組んでリハビリにあたったほか学会発表なども行い、課題の解決に一定程度貢献することができました。そこで、一区切りついたタイミングで本来の整形外科医に戻ろうと考え、2010年に当院を開業するに至ります。

みなかわ整形外科の院内の写真
白とブラウンで統一し、落ち着いた雰囲気の待合室