幼少期、妹の病気を診てくれた医師に憧れて小児科医の道へ
小児科の医師を志したきっかけ、アレルギー疾患を専門に選んだ理由を教えてください。
小児科の医師になりたいと思ったのは、子どもの頃の体験からです。私が4歳の頃、2つ下の妹が川崎病を患い入院したのです。当時はまだ、川崎病の治療法が確立しておらず、原因不明の心臓病であることしか聞かされていなかったため、両親がとても心配している姿をみていました。
その時に担当された小児科の医師が、藁にもすがる思いの両親に気を配り、真摯に対応されていたのをみて、医師に憧れを抱いたのが始まりです。私は覚えておりませんが、「ぼくがお医者さんになって、妹の病気を治すんだ。」と言っていたそうです(笑)。その後、「小児科の医師になる」という気持ちが揺らぐことはなく、ここまできました。
そして、アレルギーを専門に選んだのは、これも私自身、幼少期から中学生の頃まで長い期間、アトピー性皮膚炎で悩んでいた経験があったからです。
今はありがたいことに治療の甲斐あって私も妹もまったくの健康体ですが、病気を抱えたご家族の大変さ、アレルギー疾患のつらさなど身をもって知っているので、小さな患者さんと親御さんに寄り添い、実感を持ってお話を聞くことができるのではと思っています。
開業までの経緯について教えていただけますか?
小児科医としては、国立成育医療研究センターという東京にあるこども病院でキャリアをスタートしました。風邪や胃腸炎といったよくみられる疾患から複雑な慢性疾患、生死に関わる重篤な病気まで非常に幅広く経験を積みました。ここで国際標準の医療を学び、小児科医としての土台をつくりました。
その一方で、同センターアレルギー科において最先端のアレルギー診療を学ぶとともに臨床・研究にも従事しました。また、その後に移った名古屋市立西部医療センターにおいては、新生児医療とアレルギーの専門外来にも従事し、数多くの患者さんと向き合ってきました。
開業については、学生時代からいずれは患者さんにより身近な存在として関わり、地域に根差した医療をしていきたいと考えていました。名古屋市立西部医療センターで勤務していたときに、この守山区に小児科が少なくて困っているという声を聞き、患者さんのニーズに答えたい、そして同センターとも連携がとりやすい、とこの地に開業することを決めました。
本当に明るく温かみのあるクリニックですね。
ありがとうございます。守山区のマスコットキャラクターがリスをモチーフにした「モリスちゃん」ということもあり、「リスたちが遊ぶ森の中」をイメージしました。待合室や診察室の扉には、リスをメインにうさぎやタヌキなど可愛らしい動物たちを描いています。キッズスペースもあるメインの待合室は、大きな窓から日の光がいっぱい入り、森林浴をしているように患者さんたちにくつろいでもらえる温かみのある空間になったのではないかと思います。