更新日: 2023-07-28

基本情報

名称:
岡崎ゆうあいクリニック
診療科目:
内科, 皮膚科, 小児科, 外科, 肛門外科, 泌尿器科
住所:
〒 444-0932
愛知県岡崎市筒針町字池田104-1

電話番号0564-64-1722電話
する

JR西岡崎駅から車で約5分、徳川家康の生誕地として有名な岡崎城にもほど近い場所にある「岡崎ゆうあいクリニック」。地域のかかりつけ医として、内科、皮膚科、泌尿器科、外科、小児科、肛門外科を設け、幅広い疾患に対応する保険診療を基盤としながら、難治性の病気や症状に対しても、保険診療の限界を補う自費診療による先進的な医療も提供。子どもから大人まで、さまざまな病気や症状を親身になって診療してくれるクリニックだ。

院長の小林正学先生は、さまざまな臓器のがんについて、外科手術から抗がん剤治療、免疫細胞療法まで幅広く、豊富な治療経験を持つがん診療のエキスパート。ご自身もがんの闘病を経験したことで、心とからだの密接な関係に気づき、感性を大切にした「感性医療」を実践している。「ただ病気を治すだけでなく、幸せに生ききるお手伝いをしたい」と語る小林院長に、同院の特長や医療に対する信念などを伺った。

自身のがん闘病体験から、病気の根本原因にアプローチするクリニックを開業

はじめに、医師を志したきっかけをお聞かせください。

小林先生の写真

一番のきっかけは、高校生のときに、祖父が末期の胃がんで亡くなってしまったことです。祖父に何もしてあげられない自分が悔しくて、一時退院してきたときも、祖父の顔をまともに見られずに他の部屋に隠れていました。このとき感じた自分の無力感が原動力となって、医師を志すようになりました。

開院までのご経歴を教えてください。

富山医科薬科大学を卒業後、名古屋市立大学の外科に入局し、名古屋市立西部医療センターやトヨタ記念病院など地域の中核病院で、胃がんや大腸がん、乳がんなど、主にがんの診療に携わり、手術だけでなく、抗がん剤治療、終末期の緩和ケア、最期のお看取りまで、すべて担当していました。

しかし、必死に腕を磨いて手術を成功させても、再発し、抗がん剤治療を行っても救えない命がたくさんありました。標準治療の限界とも言えるようなシビアな現実に直面していたときに、新たな治療法として脚光を浴び始めていた「免疫治療」に関心を持ち、2010年にがん免疫治療専門のクリニックに転職しました。同クリニックでは、がん患者さんの診療にあたりながら、がん免疫細胞療法について大学病院の先生方と多施設共同研究を行ったり、アメリカのがん学会(AARC)で論文を発表したり、精力的にエビデンスの構築に貢献してきました。

2022年4月に開院されたそうですね。

前職のクリニックでは自費診療のみでしたので、ずいぶんと偏りがある医療しか提供ができていませんでした。そして、色々なジレンマを抱えていたこともあり、別の道を考え始めていた時に、私自身が甲状腺がんを経験したことで自分の本当にやりたいことを見つめるようになりました。そして、自分の中にくすぶっていた「理想の医療」を実践したいという思いが強くなり、開業することを決めました。

小林先生がめざす「理想の医療」とは何でしょうか。

小林先生の写真

一つは、患者さんの心と身体の声に耳を傾けながら本当に必要な医療を判断し、あらゆる可能性の中から提供していくことです。そのために保険診療だけでは限界がありますので、必要な方には保険診療の枠を超えた自費診療の治療も提供しています。

もう一つは、ただ病気を治すだけでなく、患者さんが本来の自分を取り戻し、「幸せに生きる」ためのお手伝いをしたいと考えています。私は心とからだを切り離さずに、人間の感性に触れていく医療を「感性医療」と表現しています。病気はメッセンジャーと言われており、今までの生き方では限界だよと教えてくれているのです。私は病気の治療とともに、患者さんご自身も気づいていない心の奥底の問題を感じ取って、病気が引き起こされる根本原因を見ていき、必要であればカウンセリングによる心の治療もご提案しています。ただ病気を治すだけはなく、病気を引き起こした根っこを見ていかないと、心からの癒しは起こらないと感じています。もちろん、すべての患者さんで理想の医療を実践することはできません。しかし、少しずつでもいいので、本当に必要としている人のこれからの生き方に寄り添っていきたいと思っています。

小林先生ご自身もがんに罹患されたのですか?

そうです。2019年3月に偶然が重なって自分で甲状腺がんを見つけました。その時にはすでにリンパ節への転移がみられ、状況はかなり深刻で、主治医からは「手術時間は12時間、2〜3割の確率で声が出なくなる、がんが取り切れないこともある」と言われていました。幸いにして手術は成功し、こうして話をすることもでき、本来の自分も取り戻せたのですが、自分ががんになったことで、「心とからだは密接に関係している」ということが確信でき、病気だけでなく、心のあり方も大切にしていく医療が必要だと考えるようになったのです。

さらに、心だけでなく、もっと治る医療を探し求めて日本全国の統合医療の先生や、一流の施術家、サバイバーに会ってきました。そして、治療を受けながら知識や技術を習得してきました。どれだけお金や時間を費やしたかわかりません。そうして培った叡智を病気で苦しんでいる患者さんに提供していきたいと考えています。