「Doing(治療法)を探すこと」、「Being(自分のあり方)を整えること」この2つのバランスで病気に立ち向かう
これから高圧水素酸素治療をどのように進めていきたいですか?
実際の臨床の現場で手応えを感じている治療ですので、きちんとデータをとって行けば今後の医療に貢献できると思います。今後は大学の先生方と連携してデータを蓄積して国際学会などで論文報告を目指していきたいと考えています。地道な活動をしているといつかは保険診療の道が開けてくるでしょう。
また、当院では高圧水素酸素治療を追加で導入して、世界初の高圧水素酸素治療センターを実現したいと考えています。田舎のクリニックに最先端の高圧水素酸素治療センターができる日を楽しみにしています。
日々の診療で心がけていることはありますか?
理想の医療として掲げている「感性医療」を実践することです。ただ薬を出すだけでなく病気の本当の根本原因まで掘り下げてみていくことが大切だと考えています。例えば、糖尿病の患者さんに対して薬物療法で血糖値を下げるだけでなく、血糖値が上がってしまった根本的な原因について、心の問題まで掘り下げて考えるようにしていきたいです。もしもストレスが原因で食べ過ぎているなら、そのストレスの原因は何なのか、人間関係で苦しんでいるその原因はもしかしたら幼少期の親との関係性が影響しているかもしれませんし、過去のトラウマのような出来事かもしれません。このような問題の根っこを掘り当てて、必要であれば心の治療もご提案します。血糖値の安定的なコントロールだけでなく、心の健康を含めてご自分を取り戻していただき、本当の自分の人生を生ききるお手伝いをすることを大切にしています。
とはいえ、患者さんによっては心の問題に踏み込まれたくない方もおられますので、押し付けるようなことはしません。あくまでも患者さん本位に、患者さんが必要とするタイミングで適切な医療を提供するように心がけています。もちろん、限られた診療時間内ではここまでできませんので、これからは心の対話の場をクリニック内につくれたらいいな、と思っています。
ところで、とても落ち着く院内ですね。
私は、患者さんがここに来るだけで元気になれるようなクリニックを目指していまして、この待合室が心地の良い場になるよう、自律神経を整えるといわれている528ヘルツの音楽とアロマの香りを愉しんでいただいています。
また、スタッフの感情がギスギスしているとそれが患者さんにも伝わってしまうので、当院のスタッフにも、岡部明美さんのLPL認定セラピストである佐倉亜希子さんに関東から定期的に来てもらって院内研修を実施しています。そうすることで自分達の心が整い、その意識の波動が患者さんにも伝わると感じているからです。このように当院では心地よい環境づくりに取り組んでいます。
お忙しい日々だと思いますが、休日はどのように過ごされていますか?
いま取り組んでいる仕事やプロジェクトが楽しいので休日も仕事をしています。休日は会いたい人に会いに行ったり、学会や研究会に参加することが多いです。仕事というより趣味みたいなものかもしれません。人に強要されることではなく、自分がやりたいことだと変な疲れがありませんので開業前よりも充実していますし、疲れを感じたら高圧水素に入って身体のメンテナンスをしています。
最近は、ボイストレーニングに通い始めました。甲状腺の手術で声を出しづらくなってしまったのですが、開院一周年記念イベントを予定していますので、私と同じく甲状腺がんを克服した歌手のERIKOさんと、同じくがんサバイバーでシンガーソングライターの杉浦貴之さんと一緒に歌えるよう、準備を始めています。
さいごに、今後の展望と患者さんへのメッセージをお願いいたします。
がんなどの難治性の疾患を抱えている方々には、「治療法(Doing)を探すこと」も大切だけれども、「自分のあり方(Being)を整えること」も大切にしていただきたいということ伝えたいですね。これは、がんの闘病体験から私自身が実感したことです。治療法を探し続けても自分のあり方が整わないと病気は治りにくいですし、次から次へと際限なく治療法を探し求めていくことになっていきます。治療法を探し求めることは大切なのですが、まるで千と千尋の神隠しに登場する食べても食べてもお腹が満たされないカオナシのようになってしまい、治療法を求めるだけでは満たされることが少ないのです。逆に自分のあり方が整ってくると、もし病気が治らなくても幸せに生ききることができるようになるのです。そして、あなたの命は時間を超越していくのです。私の言いたいことが今は理解できなくとも、いつかわかる日がくるでしょう。
また、理想の医療についての話の際にも述べましたが、病気になったのは「今までの生き方や考え方が、もう限界だよ」という自分自身からのメッセージです。その身体の声に耳を傾けることが大切です。病気になったら、私は人生の棚卸をするタイミングなのだと思います。いったん、自分の人生を振り返る大切な時間を神から与えられたのです。そして、自分のあり方とより良い治療法の探究の両方を意識して、2つのバランスを取りながら病気に立ち向かってほしいのです。私は、その応援をさせていただきたいと思っています。
自由診療費用
※表示価格はすべて税込みです
- 高圧水素酸素治療(保険適用外):1回 60分 8,000円、120分 16,000円
注意点:中耳炎などの耳の病気や、現在耳が痛いといった症状がある場合、その病気や症状が悪化することがあります。
※価格は2024年11月14日現在のものです。変更となっている場合がありますので、必ず医療機関にご確認ください。