変形性関節症をはじめ、小児整形外科や関節リウマチ、骨粗しょう症と幅広く診療。再発予防や術後、産前産後などさまざまなニーズに応じる専門的なリハビリテーションも実施
現在、どのような患者さんが多く来院されていますか?

年齢や性別を問わず、幅広い世代の患者さんにご来院いただいています。なかでも多いのは60代〜80代のご高齢の方で、腰痛や肩こり、膝や足などの関節痛、骨粗しょう症といった症状で受診されるケースが多いですね。
次に多いのが、お子さんの整形外科疾患です。保育園・幼稚園に通う未就学児では転倒による捻挫や打撲、小学生以上になるとスポーツ活動が盛んになるため、野球肘や膝の痛みなどスポーツ障害が増えてきます。
また、働き盛りの世代では、腰痛や肩こり、スポーツによるケガ、関節リウマチや痛風など、慢性的な症状から急性の外傷まで多様なご相談があります。さらに、当院では産前・産後の女性を対象としたリハビリテーションにも力を入れており、出産後の体の不調や更年期障害、姿勢の改善を目的に来院される方も少なくありません。
貴院で特に力を入れている診療について教えてください。

この地域には、昔からお住まいのご高齢の方も多くいらっしゃいますが、一方で小さなお子さんを育てるご家族も増えています。地域に根ざしたクリニックとして、整形外科全般を幅広く診療し、年齢や症状を問わず、地域の皆さんのニーズにきめ細かくお応えできるよう努めています。
そのなかでも、五十肩や腱板損傷などの肩関節疾患は、私がこれまで専門的に携わってきた分野です。患者さん一人ひとりの症状や生活の背景を丁寧に伺いながら、状態をしっかりと見極め、リハビリや注射、必要に応じて手術のご相談など、最も適した治療を提案するよう心がけています。
また、近年は骨粗しょう症の診療にも注力しています。高齢の方では、骨折をきっかけに寝たきりになり、場合によってはそのまま亡くなってしまうこともあります。そうしたリスクを防ぐためにも、定期的な検査や治療を通じて骨の健康を守ることが大切です。骨粗しょう症の予防は、健康寿命を延ばし、より自分らしく暮らしていくための重要な一歩だと考えています。
骨粗しょう症について、どのような診療が受けられるのでしょうか?
まずは、骨粗しょう症かどうか、あるいはどの程度進行しているのかを検査で診断します。当院では、より正確な測定が可能とされるDEXA法による骨密度検査を行っています。さらに、骨折や骨の変形の有無を確認するためのエックス線検査、骨の壊れる速さと作られる速さのバランスを評価する骨代謝マーカー(血液検査)など、複数の検査結果をもとに総合的に判断します。
骨粗しょう症と診断された場合は、薬物療法を中心に治療を進めます。基本的には飲み薬を使用しますが、進行が進んでいる場合には、骨形成を促すPTH(副甲状腺ホルモン)製剤や、骨形成促進と骨吸収抑制の両方の作用をもつ注射薬「ロモソズマブ」を用いることもあります。
また、薬による治療だけでなく、食事や運動、日光浴などの生活習慣の見直しも非常に大切です。患者さんご自身が日常の中でできる取り組みを一緒に考えながら、進行の抑制と骨折予防に努めています。
前田先生が重要視されているリハビリテーションについては、広さ100㎡以上の専用リハビリ室があるそうですね。

はい。リハビリ室はゆとりあるスペースを確保し、電気治療機器や低周波治療器、超音波治療器、温熱療法器など、さまざまな治療機器を導入しています。さらに、座ったままで体幹トレーニングができる機械や、認知機能を刺激しながら筋力を強化できるエルゴメーターなども備えています。
当院では“個別化医療”を大切にしており、リハビリテーションも患者さん一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせた“テーラーメイド”のプログラムで行っています。治療の目的や生活習慣、体力の程度などを丁寧に把握した上で、理学療法士と連携しながら最適なプランを立てています。
また、通院時のリハビリだけでなく、ご自宅でできるストレッチや筋力トレーニングなどの“自主トレーニング”も提案しています。日常の中で無理なく続けていただくことで、機能回復だけでなく再発や進行の予防にもつなげていくことを目指しています。
産前産後のリハビリテーションについても教えてください。
妊娠や出産は、女性の身体に大きな変化と負担をもたらします。その影響で、腰痛や坐骨神経痛、骨盤周囲の痛み、尿もれなどの症状に悩まれる方が少なくありません。こうした不調を放置してしまうと、将来的に慢性的な腰痛や尿もれといったトラブルにつながることもあります。
当院では、妊娠・出産によって負担のかかった骨盤や筋肉の機能を整えるための専門的なリハビリテーションを行っています。身体のバランスを整え、筋肉の働きを回復させることで、産後の回復を促すとともに、将来のトラブルを未然に防ぐことを目標としています。出産後はどうしてもご自身のケアが後回しになりがちですが、体の不調を早めに整えることは、長い目で見てご自身の健康を守ることにもつながります。無理をせず、少しでも気になることがあれば、ぜひ気軽にご相談ください。
診断を支える検査機器について、どのような医療機器を導入されていますか?

先ほどもお話ししたように、骨密度検査には精度の高いDEXA法による骨密度測定装置を導入しています。これにより、骨粗しょう症の進行度を正確に把握することができます。
レントゲン装置は、天井走行式X線装置といって、撮影機のアーム部分が縦横自在に動くタイプを採用しています。患者さんが無理な姿勢を取らずに済むため負担が少なく、さまざまな角度から撮影できるのが特徴です。さらに、デジタルレントゲン装置を使用しているため、骨の微細なヒビなども鮮明に映し出すことができ、より的確な診断につながっています。
このほかにも、超音波診断装置や血流検査装置など、初期診断に必要な機器を幅広く導入しています。正確な診断は適切な治療の第一歩と考えており、こうした機器を活用しながら、一人ひとりの症状に応じた丁寧な診療を心がけています。