更新日: 2025-11-06

基本情報

名称:
小川脳神経外科
診療科目:
脳神経外科, 放射線科
住所:
〒 332-0017
埼玉県川口市栄町1丁目12-21 シティデュオタワー川口 医療モール2F

電話番号048-250-6655電話
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埼玉高速鉄道・川口元郷駅から徒歩3分。大型ショッピングセンターに隣接する医療モールの2階に位置する「小川脳神経外科」は、2006年の開業以来、地域に根ざした脳神経外科クリニックとして頭に関する多様な症状や疾患の診療にあたっている。
理事長の小川治彦先生は、大学病院や川口市立医療センターで、脳神経外科専門医として長年臨床に携わってきた経験豊富なスペシャリストだ。その豊富な知見と技術を基盤に、「頭に関する症状や疾患を気軽に相談できる地域の脳神経外科クリニック」の役目を担うべく開業、脳神経外科領域の一次(初期)診療を提供している。

脳神経外科といえば、くも膜下出血や脳出血、脳梗塞などの重篤な疾患を扱う診療科という印象が強い。しかし実際には、頭痛、めまい、手足のしびれや麻痺、もの忘れといった身近な症状から、頭部の切り傷やたんこぶなどの外傷まで幅広く対応する診療科である。「風邪をひいたら近くの内科を受診するように、頭痛やたんこぶが生じたときには気軽に相談してほしい」と語る小川理事長に、勤務医時代の臨床経験や同院での診療内容などについてお話を伺った。

※日本脳神経外科学会脳神経外科専門医

「大病院に行かなくても、軽い症状を気軽に相談できる脳神経外科クリニック」の必要性を痛感し、自ら開業

はじめに、先生が医師を志されたきっかけをお聞かせください。

小川 治彦先生の写真

私は医師の家系に生まれ、小さい頃から「いずれ医業を継ぐのだろう」と思いながら育ちました。ただ、私の故郷である秋田県は高齢化や人口減少が深刻で、父はその現実を見据え、私に医院を継ぐことを強く求めることはありませんでした。それでも、自分自身は医師になるという思いが揺らぐことはなく、自然な流れとして医師を志すようになったのです。

先生は日本大学の医学部に進み、ご卒業後は日本大学の脳神経外科学教室(当時)に入局されました。どのような理由から脳神経外科を選ばれたのでしょうか?

もし父の医院を継ぐのであれば、一般内科など診療科の選択肢も限られていたはずです。しかし、幸いにも自らの進路を自由に選べる環境にありました。であればこそ、高い専門性を追求できる分野を志し、命を救う医療の最前線に立ちたいと考え、脳神経外科を専攻しました。
 
卒業後は関連病院で臨床経験を積む一方で大学院にも進学し、医学博士号を取得後は米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の脳神経外科に留学する機会にも恵まれました。大学院やUCLAでは、脳細胞移植や頭部外傷といった脳神経分野の基礎研究に従事しました。

帰国後は、日本大学の関連病院である川口市民病院(現・川口市立医療センター)でおよそ14年間にわたり医業に邁進されました。この間、主に診てこられた疾患・症例について教えてください。

日本大学や川口市立医療センターのような大規模病院では、診療の中心となるのは重篤な疾患です。私も、くも膜下出血や脳出血、脳梗塞、脳腫瘍、頭部外傷、頸動脈狭窄症、慢性硬膜下血腫といった、主に急性期の患者さんの治療にあたってきました。
脳血管疾患の治療は、現在ではカテーテルを用いる「血管内治療」が普及してきておりますが、私が勤務していた当時は、頭蓋骨を開いて行う「開頭手術」が主流でした。そうした手術を数多く経験しながら技術を磨き、脳神経外科医として研鑽を積んでまいりました。

脳神経外科専門医として臨床の第一線に立ち、要職も務められたのち、2006年に「小川脳神経外科」を開業されました。開業を決心された想いをお聞かせいただけますか?

小川脳神経外科の外観の写真
川口元郷駅から徒歩3分。大型ショッピングセンターに隣接する医療モールの2階に位置している

脳や神経の病気には、くも膜下出血や脳腫瘍など高度な医療を要する重症例から、頭痛や軽い頭部外傷といった比較的軽度のものまで幅広くあります。本来、軽度の疾患であれば大病院にかかる必要はないのですが、当時は地域に脳神経外科のクリニックがほとんどなく、多くの患者さんは頭痛なら内科、たんこぶなら外科や整形外科を受診していました。しかし、一般診療科では脳神経疾患を正確に見極めることが難しい場合もあり、その結果、病気の発見が遅れたり、適切な治療につながらなかったりするケースを少なからず経験しました。
 
川口市立医療センターに勤務していた頃、そのような患者さんを数多く診てきたことで、地域で脳神経疾患の初期診療を担える場の必要性を痛感しました。風邪をひいたときに内科クリニックへ行くように、頭痛や頭部のけがで気軽に相談できる「脳神経外科のかかりつけ医」が必要だと考え、私自身がその役割を果たそうと決意したのです。
 
また、川口市内で開業すれば、長年勤めた川口市立医療センターとの連携もスムーズです。くも膜下出血など一刻を争う緊急疾患が生じた場合でも、迅速に高度医療へつなげられる体制を築けると考え、この地での開業を選びました。