頭痛やたんこぶ、頭の切り傷も診療するのが脳神経外科。地域のクリニックとして頭に関する症状を総合的に診療
貴院にはどのような患者さんが来院されていますか?

当院で最も多いのは頭痛、なかでも片頭痛の患者さんです。そのほか、たんこぶや切り傷といった軽度の頭部外傷、めまい、手足のしびれといった症状で受診される方、さらには認知症の方まで、幅広い患者さんにご来院いただいています。
年代や性別で見ると、片頭痛は若い女性に多く、頭部外傷はお子さんやご高齢の方が中心です。特に高齢の方は転倒によって頭をぶつけ、受診されるケースが少なくありません。
頭痛の診療は、一般的にどのような流れで進められるのでしょうか?
頭痛は非常に多くの方が経験する症状ですが、その原因はさまざまです。片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛といった「一次性頭痛(慢性頭痛)」に加え、脳出血や脳腫瘍など病気や外傷が原因となる「二次性頭痛」もあり、痛みの種類や背景は多岐にわたります。
当院では、まず詳細な問診を重視しています。どの部位がどのように痛むのか、痛みの持続時間や発症時期、頻度、頭痛以外の症状の有無などを丁寧にお伺いします。その上で必要に応じて、血液検査やMRI、CTなどの検査を行い、一次性頭痛か二次性頭痛かを見極めます。診断結果を踏まえて、患者さんに適した治療方法をご提案しています。
片頭痛と診断された場合、どのような治療を行うのでしょうか?
基本となるのは薬物療法です。治療には大きく分けて二つの柱があります。ひとつは、発作が起きたときに痛みを和らげる「急性期治療」。もうひとつは、発作そのものを減らすことを目的とした「予防治療」です。患者さんの症状や発作の頻度に応じて、これらを組み合わせながら片頭痛をコントロールしていきます。片頭痛を含め、多くの頭痛には近年、有効な治療法が次々と開発されています。頭痛でお困りの方は、自己判断せず、一度ご相談いただければと思います。
頭部外傷というと外科や整形外科を受診するイメージがありますが、脳神経外科で診てもらえるのですね。

頭部外傷は大きく分けて三つに分類されます。ひとつは、たんこぶ(皮下血腫)や皮膚の切り傷といった表面に近い外傷。次に、皮膚や筋肉の下にある頭蓋骨の骨折。そして三つ目が、頭蓋骨の内側にある血管や脳そのものの損傷です。これらはいずれも、症状の軽いものを含めて脳神経外科で診療しています。
たんこぶや切り傷は、深ければ縫合が必要ですし、一見軽症に見えても頭蓋内で出血している場合があります。また、頭蓋骨と脳の間に血液が貯留する慢性硬膜下血腫は、受傷から1カ月以上経ってから症状が出てきます。このように頭部外傷は多様な可能性を含んでおり、専門的な視点で診断・治療方針を判断できるのが脳神経外科の強みです。原因を正しく見極め、早期に治療を行うことで重症化を防ぐことができますので、頭のけがでお困りの際はぜひご相談ください。
地域にお住まいの方にとって、頭のことを気軽に相談できるクリニックが身近にあるのは安心ですね。
現在の日本では、地域のかかりつけ医が一次(初期)医療を担い、二次・三次医療は大規模病院などの高度医療機関が担うという形で、それぞれ役割を分担しながら地域医療が成り立っています。当院は地域の脳神経外科クリニックとして、頭に関するあらゆる症状や病気についてご相談をお受けしていますので、気になることがあればぜひお気軽にご相談ください。
また川口市には、私が勤務していた川口市立医療センターをはじめ、埼玉県済生会川口総合病院、川口工業総合病院など大規模な医療機関があります。さらに勤務医時代に知り合えた先生方や、日本大学出身の医師によるクリニックともつながりがあります。こうした多様な医療機関と連携しながら、患者さんの症状に応じて適切な治療を提供できる体制を整えておりますので、どうぞご安心ください。
