勤務医時代に培った専門知識と豊富な経験を活かし、地域住民の「目の健康」を守り続ける三代目院長として医院を継承
はじめに、井上先生が医師を志したきっかけと、眼科を専攻された理由をお聞かせください。
当院は、祖父が開院し、父が二代目、私で三代目になります。医院の裏手に自宅があり、子どもの頃から父が診療する姿を間近で見ながら育ちましたので、私が医師を志したのは、その影響が大きかったと思います。いずれ当院を継ぐつもりでしたので、最終的に進路を決める際も、眼科医以外の選択肢を考えることはありませんでした。ただ、実は、理系があまり得意ではなかったので、医学部受験の際は、特に数学を猛勉強しました(笑)。
井上眼科医院に入職されるまでのご経歴を教えてください。
獨協医科大学を卒業し、順天堂大学医学部附属順天堂医院の眼科に入局しました。順天堂医院の眼科は、日本で初めてコンタクトレンズを導入したり、日本で最初にアイバンクが許可され、角膜移植手術を多数手がけていたりと、長い歴史がある上に、パイオニア精神に溢れた優秀な人材も多く、眼科の世界では非常に有名です。私の父が在籍していたこともあり、私も同大学で眼科専門医※1としてキャリアを積んでまいりました。
具体的に、どのような診療にあたってこられたのでしょうか?
順天堂医院眼科は、一般外来とは別に独立した「小児眼科」があるのが特徴の一つです。医局員は全員、この小児眼科で研鑽を積むことになっており、私も子ども特有の斜視や近視、未熟児網膜症などの子どもの眼疾患の診療に徹底的に取り組みました。
その後、順天堂静岡病院、賛育会病院など地域の中核病院に勤務し、約17年間、白内障手術や角膜移植手術を含めて、眼疾患全般の診療で研鑽を積み、特に緑内障については、手術を含めて専門的な診療に長く携わってまいりました。
2012年4月に井上眼科医院の副院長に就かれ、2018年から院長に就任されたとのことですが、医院を引き継ぐきっかけは何だったのですか?
父が高齢になるにつれて院長職を務めるのが難しくなってきたことが、大きな理由です。最初は、副院長として入職し、地域のかかりつけ医として果たすべき役割を父から教わりながら、父の引退と同時に私が三代目院長として当院を引き継ぎました。