「正確であること」、「ていねいであること」がモットー。患者の利益につながるよう、オリジナル動画やパンフレットを活用した、わかりやすい診療にも注力
日々の診療で心がけていることはありますか?
目というのは、非常に繊細な組織がいくつも組み合わさって「視る」という機能を果たしています。ですから、とにかく「正確であること」、「ていねいであること」を肝に銘じながら、日々診療にあたっています。特に、手術においては、些細なミスも許されませんから、緊張感をもって取り組むだけでなく、手技の鍛錬や日々進歩する医学情報の吸収にも努め、自己研鑽を怠らないことで、最終的に患者さんの利益につなげていきたいと考えています。
また、先ほどお話しした、患者さん向けのパンフレットなどの解説ツールは、近視などほかの眼疾患についても作成しています。例えば、「なぜメガネをかけなくてはいけないのか?」といった内容ですね。口頭での説明では不十分になりがちなところをツールが補ってくれますので、治療内容や治療計画について理解しやすくなり、非常にわかりやすいということで、患者さんにも好評をいただいております。このようなツールを積極的に使いながら、患者さんの立場に立った診療の実践を常に心がけています。
三代目院長を引き継ぐにあたって、設備等で更新されたものはありますか?
院内の大掛かりなリフォームは行っていませんが、先ほどお話しした「スポットビジョンスクリーナー」をはじめ、検査機器については大学病院でも使用しているようなレベルのものに更新しました。また、インターネットで診療の予約ができるシステムも導入しており、患者さんの利便性向上にも努めています。
お忙しい日々だと思いますが、休日はどのように過ごされているのでしょうか?
仕事柄、運動をする機会があまりないこともあり、ここ数年で急に太ってしまいまして…。膝と腰が悲鳴を上げてしまい、痛みもあって、これはマズいと思い、3年前から自宅で筋トレを始めました。趣味とはちょっと違うのですが(笑)、体重を約25kg落としましたので、このままベスト体重をキープするためにも筋トレを続けていくつもりです。
さいごに、今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。
今後の展望としては、子どもの視力低下について、早期発見・早期治療のための眼科受診を啓蒙・啓発していきたいと考えています。学校の眼科検診で精密検査が必要なお子さんに対して通知をしていますが、受診が後回しになっている子も少なくありません。近視や斜視などの視力障害は、早期発見・早期治療がとても重要ですので、そうした理解が深まるような啓蒙・啓発活動に取り組んでいく必要があると考えています。
大人についても同様で、特に、緑内障については、失明に至る病気だということがあまり知られていないのか、この周辺の地域では、検診受診者が都市部に比べて少ない印象があります。視野の狭さなどを自覚したときには、すでに手遅れ、末期まで進行しているというのが緑内障の特徴ですので、視力を保つためにも検診受診率を上げる取り組みもしていきたいです。
また、どのような病気でも同じですが、眼の病気についても、「見えにくさ」を感じてからでは遅く、普段から「目の健康の大切さ」を知って、眼科での定期検診を受けていただきたいと思っています。そして、「光がまぶしい」とか、「視界がぼやける」とか、少しでも目の異常を感じたら、すぐにご相談ください。大学病院をはじめ近隣の基幹病院とも連携していますので、安心して受診していただければと思います。