更新日: 2023-05-26

基本情報

名称:
久留米中央病院
診療科目:
内科, 消化器科, 肝臓内科, リハビリテーション科
住所:
〒 830-0001
福岡県久留米市小森野2-3-8

電話番号0942-35-1000電話
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肝動注化学療法は肝がん治療の最後の砦。保険適用の「あきらめないがん治療」を実践

どのような患者さんが来院されていますか?

板野先生の写真

私の専門である肝がん治療に関しては九州一円のみならず、全国から患者さんが相談に来られることもあります。一方で、当院はもともと地域に根ざした医療も提供しており、消化器疾患を中心にさまざまな病気の診察が可能です。

では、肝疾患の治療以外にも、「かかりつけ医」としての役目も果たしているのですね。

はい、その通りです。肝疾患の症状で受診される患者さんは半数ほどで、風邪などの一般内科や胃腸の不調など消化器内科を受診される患者さんも大勢おられます。中でも、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病で受診される患者さんが多いでしょうか。他にリハビリテーション科も併設しており、そちらに通院されている患者さんも多くいらっしゃいます。

貴院の特長でもある「あきらめないがん治療」について詳しく教えてください。

肝がんの治療方針は、腫瘍の数やサイズ、肝臓の機能がどれだけ残っているかなどによって複雑に変わります。サイズの小さな肝がんにおいては、当院で提供している肝動脈塞栓療法などの治療法は必ずしも第一選択とはならず、肝切除手術やラジオ波焼灼療法など、他の治療法が優先されることが大半です。

しかし、肝がんの数が多い(4個以上)、サイズが大きい(直径3センチ超)といった患者さんや、通常の薬物療法で思うような効果が得られなかった患者さん、そして適用できる他の治療法が限られる進行がんの患者さんには、有効な選択肢として検討される治療法です。当然のことながら、肝動脈塞栓療法・肝動脈化学塞栓療法・肝動注化学療法はいずれも「保険適用」の治療法として認められています。

他院で「緩和ケアに移行すべき」と判断される患者さんに対しても、治療を試みることがあるそうですね。

「すべての患者さんを救える」とは断言できませんが、当院で提供している肝動注化学療法は、肝移植手術などと同じく、現代の肝がん治療において「最後の砦」ともいえる存在だと思っています。患者さん自身が「生きたい」と願うのなら、そのために全力を尽くすのが医者の使命です。患者さんの余命が短くなるような治療法の提案はしませんが、治療できる可能性が残されている限り「あきらめないがん治療」を提供しています。

また当院の評判を聞きつけ、他の医療機関からの紹介状を持って来られる方もいます。そうした患者さんに対しても、きちんとお話を聞いた上で治療計画を作成し、可能なら肝動注化学療法などの治療を開始するといった受け入れ態勢を整えています。

もちろん、がん治療の技術はまさに日進月歩であり、今後は肝動注化学療法に置き換わる治療法も世に出てくる可能性はあります。全国、そして世界中の優秀なドクターたちがしのぎを削るようにして治療に取り組んでいるのが事実です。私も負けずに精一杯の努力をして、1人でも多くの患者さんに希望を届けたいと思っています。

院内の雰囲気や設備についても教えていただけますか。

そうですね。ハード面では肝がん治療に限らず、消化器疾患のさまざまな検査・治療に必要十分な設備が整っています。ソフト面ではとても優しい看護師が揃っていることでしょうか、入院している患者さんからの不満はほとんど聞かれず、たいへん好評をいただいています。

スタッフたちにも「決して治療をあきらめない」の意識が共有されているのが大きな自慢ですね。私はもちろん、経験豊富なスタッフが一致団結して治療とサポートにあたります。当院に来れば、どんな患者さんも前向きな気持ちで治療に臨むことができると信じています。

久留米中央病院のリハビリテーション室写真
淡いピンク色を取り入れたリハビリテーション室
久留米中央病院の待合室写真
吹き抜けからやさしい光が降り注ぐ、開放感のある待合室