更新日: 2025-05-21

基本情報

名称:
林外科・内科クリニック
診療科目:
外科, 内科, 消化器内科, 整形外科, リハビリテーション科, 放射線科
住所:
〒 811-4175
福岡県宗像市田久4丁目15-12

電話番号0940-33-5577電話
する

JR鹿児島本線・赤間駅から徒歩約15分の場所にある「林外科・内科クリニック」は、1979年に林啓成院長が開設した有床診療所「林外科医院」を前身とし、地域に根ざした医療を45年にわたり提供している。
2007年には、ご子息で外科専門医の林裕章先生が理事長に就任。2024年には林由紀子先生も加わり、診療科目を外科・内科・消化器内科・整形外科・リハビリテーション科・放射線科へと拡大し、「林外科・内科クリニック」へ改称した。現在は、老人介護施設に加え、障がい者福祉施設も新たに開設。医療・介護・福祉を一体で支える体制を整え、地域の幅広いニーズに応えている。今回は、林裕章理事長と林由紀子医師に、地域住民の暮らしに寄り添った診療を続ける同院の歩みや、今後の展望について詳しく伺った。

※日本外科学会外科専門医

尊敬する父の背中を追って外科医の道へ。大学病院で研鑽を積んだ後、医院を継承し地域の医療ニーズに幅広く対応

はじめに、林理事長が医師を志したきっかけと、消化器外科を専攻された理由をお聞かせください。

林 裕章先生の写真

【林理事長】私が小学3年生の頃、父が生まれ故郷である宗像市に「林外科医院」を開業しました。入院設備も備えた医院ですので、父は昼夜を問わず働き、休日でも家族で食事をしている最中でも、呼び出しがあれば患者さんのために急いで駆けつけていました。
そんな父の背中を見て、「医師というのは大変だな」と感じる一方で、「人の命や健康に直接貢献できる、やりがいのある仕事なんだ」とも思うようになりました。子どもながらに父を尊敬していましたし、気がつけば自然と私も医師を目指すようになっていました。

外科を専門にしたのは、やはり父のような外科医になりたいという思いがありました。あとは、子どもの頃に読んだ手塚治虫の『ブラック・ジャック』に強く影響を受け、「自分もこんなふうに人を助ける仕事がしたい」と憧れたのもあります。もともと手を動かすことが好きだったこともあり、迷わず外科の道に進みました。

貴院に入職されるまでのご経歴を教えてください。

【林理事長】佐賀大学医学部を卒業後、同大学の一般・消化器外科に入局しました。その後は、佐賀大学医学部附属病院をはじめ、佐賀県医療センター好生館や友愛会織田病院などに勤務し、食道・胃・大腸・肝臓・膵臓・乳腺といった消化器外科領域の診療に取り組んできました。
大学病院などの高度医療機関では、外科が扱う疾患の多くが悪性腫瘍、いわゆる「がん」です。そのため私も、胃がんや大腸がんなど消化器がんの手術を中心に診療経験を積みながら、術前・術後の管理を含む「周術期管理」に長年携わってきました。

周術期管理では、どのような診療を行うのでしょうか?

【林理事長】周術期管理とは、手術が決まったときから、入院前の準備、手術中、術後の回復、さらには退院・社会復帰に至るまで、患者さんの全身状態を24時間体制で継続的に管理・サポートすることです。
たとえば手術前には、高血圧や糖尿病などの持病がある方の場合、血圧や血糖値をコントロールしながら手術に向けて体調を整えます。手術後は、呼吸状態や意識レベル、創部の経過などを細かく観察し、感染症や合併症を防ぐための対策を講じます。万が一、何らかのトラブルが生じた場合も、すぐに適切な対応を行います。こうした管理は、外科医が主治医として中心になり、麻酔科医、看護師、栄養士、理学療法士など、多職種が連携したチーム医療で行われます。患者さんが安心して手術に臨み、無事に回復できるよう、あらゆる側面から支援するのが私たちの役割です。

私はこういった周術期管理に加え、末期がんの患者さんに対する緩和ケアやお看取りにも数多く関わってきました。最期を迎えられる患者さんとご家族が少しでも穏やかな時間を過ごせるよう、苦痛を和らげる処置やサポートについても幅広く経験を積むことができ、現在の診療にも活かされていると思います。

2007年に貴院の理事長に就任されましたが、何かきっかけがあったのでしょうか?

【林理事長】いずれは医院を継ぐつもりでいましたので、これといった理由はないのですが、父が70歳を過ぎたこともあり、良いタイミングだと考えて継承しました。父が一人で診療を続けるには負担が大きくなっているように感じましたし、ちょうどその頃、私に家族ができたことも後押しになりました。通常は、私が「院長」で父が「理事長」という役職になると思うのですが、これまで父は患者さんから「院長先生」と呼ばれ親しまれてきましたので、そのまま院長として診療を続けており、私が理事長に就任しました。

現在は、クリニックでの診療のほか、介護施設や障がい者福祉施設も運営されているそうですね。

【林理事長】私の入職を機に診療体制を拡充し、現在は外科・内科・消化器内科・整形外科・リハビリテーション科・放射線科を標ぼうしています。それに伴って、名称を「林外科・内科クリニック」に変更しました。当院では、私と啓成院長、放射線専門医の由紀子医師に加え、整形外科の非常勤医を含む体制で診療にあたっており、19床の入院病床も備えていますので、医療と介護が同時に必要な患者さんの入院にも対応しています。

また、介護分野では、住宅型有料老人ホームを運営しているほか、2024年8月に別法人を立ち上げ、地域の皆さんのさまざまなお困りごとに応えるべく、障がい者就労支援施設を開設しました。今後も地域に根ざしたクリニックとして、医療・介護・障がい者福祉の分野を横断しながら、幅広いニーズに応えていきたいと考えています。

※日本医学放射線学会診断専門医

林外科・内科クリニックの外観の写真
県道沿いに位置し、広々とした駐車場も完備している
林外科・内科クリニックの院内の写真
二面採光で日当たりがよく明るい待合室