子どもから高齢者まで、さまざまな病気に幅広く対応。血液内科・腫瘍内科では基幹病院と連携し、抗がん剤治療や緩和ケアも実施
現在、どのような患者さんが多く来院されていますか?
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当院は、内科、小児科、血液内科、腫瘍内科を標榜しており、地域のかかりつけ医として、どのような症状にも幅広く対応しています。そのため、来院される患者さんも、小さなお子さんからお年寄りまで幅広い年齢層の方々がいらっしゃいます。
主訴は、発熱や腹痛、風邪、インフルエンザ、新型コロナといった感染症、中高年世代だと高血圧や糖尿病といった生活習慣病がとても多いですね。地域の特定健診や会社の健診、予防接種を受けに来られる患者さんも多くおられます。
血液内科については、健康診断などの血液検査で異常を指摘された方や、貧血症状がある、出血がなかなか止まらないなどの症状がある方がお見えになります。血液内科は一般の方にはあまりなじみのない科目ですので、一般内科を受診して、血液内科を紹介されて来院される患者さんも多いですね。また、通院が難しい方やがんの疼痛緩和ケアを希望される方には、ご自宅や高齢者施設への往診も行っています。
ご専門の血液内科では、どのような診療が受けられるのか教えてください。
血液内科では、血液に関するさまざまな病気を診療しています。当院では、赤血球、白血球、血小板の数値に加え、体内の炎症度合い(CRP)を測定できる「自動血球計数CRP測定装置」を導入しています。これにより、数値に異常があればその場で確認でき、貧血や感染症の有無、炎症の程度などを通じて、血液がんやその他の重大な病気の早期発見にも力を入れています。
治療では、悪性リンパ腫をはじめとする血液がんや重大な病気については、佐久総合病院佐久医療センター、長野赤十字病院、信州大学医学部附属病院などと連携して行っています。じつは、血液内科の専門医師は全国的に数が少なく、ここ東信地域の基幹病院も同様で、入院患者さんの診療に追われているため、外来診療は常に混雑している状況です。そこで、病状が安定している方や通院治療が可能な患者さんを当院で引き継いで治療し、状態が悪化した場合には基幹病院に戻り、治療方針を再構築していただくという連携プレーを通じて、患者さんが治療を滞りなく受けられるようサポートしています。
腫瘍内科で受けられる診療についても教えてください。
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肺がんや胃がんなどの固形がんについては、当地域の基幹病院でスペシャリストの診療が受けられる体制が整っていますので、当院では主にセカンドオピニオンや他の医療機関へのコーディネートを行っています。
たとえば、主治医の先生からどのように説明を受けているかを伺い、そのうえで、主治医の先生の意向をこのように解釈できるのではないかと、ご理解を深めるお手伝いをしています。また、終末期のがん患者さんに対しては、近隣の信州大学医学部附属病院や信州上田医療センターなどの専門病院と連携し、がんの痛みを和らげる緩和ケア治療も行っています。
高血圧治療補助プログラムを導入されたとお伺いしました。
はい。高血圧治療の一環として、患者さんには食事や運動などの生活習慣改善に関するアドバイスを行うよう努めていますが、お一人おひとりに十分な時間を確保することが難しい場合もあります。そのため、補完策として、スマートフォンアプリ「CureApp HT」(高血圧治療補助アプリ)を導入し、6カ月間のプログラムの中で医師と情報を共有しながら、高血圧の改善に繋がる生活習慣を身につける治療法を取り入れています。このアプリは保険適応されているため、患者さんにとって取り組みやすい方法となっており、特に薬の量を減らしたい、または服薬を中止したいと考えている患者さんから好評をいただいています。