更新日: 2023-05-10

基本情報

名称:
菅原整形外科クリニック
診療科目:
外科, 整形外科, 形成外科, リハビリテーション科, リウマチ科
住所:
〒 021-0023
岩手県一関市銅谷町9-18

電話番号0191-23-0501電話
する

患者さん一人ひとりのニーズに応えるため、自由診療を含む幅広い治療法を導入

どのような患者さんが多く来院されますか?

小学生から中高年の方まで、幅広い年代の方が来院されます。中高年の患者さんは肩や腰、膝などの痛みを訴える方がほとんどです。子どもや学生さんは主に、捻挫や肉離れ、骨折など部活動中のけがで来られる方が多いですね。近年はクラブ活動が低年齢化していることもあり、下は小学校に入りたての子どもさんから甲子園を目指している高校球児まで、さまざまな方が治療やリハビリに訪れます。

継承のきっかけにもなったリハビリですが、貴院では患者さんとどのように向き合っておられますか?

菅原整形外科クリニックの院内の写真
「適切なリハビリテーション医療を提供したい」という院長の思いが込められたリハビリテーション室

リハビリを提供する上で、理学療法士の先生方と共有している目標があります。それは「痛みがなくなったら終わり、ではなく、けがをする以前よりも良い状態まで患者さんの運動機能を改善すること」です。
 
たとえばスポーツをされる方が捻挫や骨折でリハビリを受ける場合、最終的には痛める前よりも身体のパフォーマンスが高まった状態になることを目指しています。そのために必要なのは、けがの背景にある要因をお伝えし、再発予防のためのリハビリを行うこと。例をあげると、子どもや学生さんがスポーツ外傷を負うケースの多くは、練習のやりすぎや、身体が硬いことが原因で起こります。ですから同じようなケガを負わないように、外傷の治療だけでなく筋力強化や身体を柔軟にするためのリハビリが必要になります。
 
加えてスポーツの低年齢化が進んでいる中で、年齢に見合った練習量というのは非常に大切です。身体ができていない頃から過度に運動すると、やはりどこかを痛めてしまいます。こうした体づくりも含めて、ケガの予防のために今後スポーツとどう向き合っていけばよいか、親御さんへの啓発にも力を入れています。

リハビリの他に、貴院の特徴はどういったことでしょうか?

菅原先生の写真

患者さんお一人おひとりが望まれる治療法をお選びいただけるよう、保険診療のみならず自由診療も含めてご提供していることが、当院の特長の一つですね。
 
具体的には、当院では「変形性膝関節症」の治療に、痛みの緩和効果が期待できる「PRP(多血小板血漿)療法」を採用しています。この治療法は厚生省の認可が必要で県内では唯一施設となっています(2023年2月現在)。血液中に含まれる、傷を治す働きをもつ血小板を利用するもので、患部に注射投与することで炎症が抑えられ、痛みの軽減を見込めるものです。
 
変形性膝関節症が進行し、日常生活に支障が出るほど悪化すると手術が必要になりますが、患者さんの中には、手術的加療を望まない方も多くいらっしゃいます。こうした場合に当院が提供できる治療法の一つとして、手術や入院をせずに膝の痛みを緩和できるPRP療法を取り入れました。患者さんご自身の体から採取した血液を利用するため、アレルギー反応などのリスクが少ないこともメリットの一つですね。
 
ただ、患者さんの症状や程度はさまざまですので、PRP療法で痛みが和らぐ人とそうでない人、副作用が出る人と出ない人など、効果には個人差があります。そのため、どのような方に効果が期待できるのか、そして起こり得るメリットやデメリットについてわかりやすくお伝えして、患者さんにご理解いただくことを大切にしています。

骨粗鬆症の診療にも注力しているとお聞きしました。

菅原整形外科クリニックの医療機器の写真
DEXA骨密度測定装置

はい。もともと肩や腰、膝などの痛みを訴えるご高齢の患者さんが多いのですが、最近は骨粗鬆症の患者さんが増えているように思います。たとえば、「雪寄せをやっていたら背中が急に痛くなった」と来院されて、診療すると骨粗鬆症による圧迫骨折をしていたというケースです。
 
骨粗鬆症は骨密度が低下して骨がスカスカになる疾患ですが、骨折をしない限りは痛みがあらわれないため、初期にはなかなか気づくことができません。そのまま放っておくと、ささいな衝撃で骨折して、治っても2回目、3回目とさらに骨折しやすくなったり、寝たきりになったりと健康寿命を大きく損なうことになります。
 
そのため適切な骨粗鬆症の治療や予防は、寝たきりになる原因として最も高い骨折を防ぎ、健康寿命を延ばすためには欠かせないと考え、当院では骨粗鬆症の診療に力を入れてきました。最近も、骨粗鬆症の専門家ともいえる「骨粗鬆症マネージャー」の資格を看護師が取得し、診療体制をさらに強化したところです。これからも、検診を受けていない患者さんには骨密度検査をお勧めするなど、早期の段階で介入して予防できるよう努めてまいります。