泌尿器科と腎臓内科の専門的な診療から、風邪や生活習慣病、健診まで真摯に対応。地域住民の健康増進に貢献
クリニック開業に至った先生の想いをお聞かせください。
当院のすぐ近くに西神戸医療センターという大きな医療機関があります。神明病院に勤務していた時代にそちらへ腎臓内科の見学に行き、そこから泌尿器科の先生ともお話するようになり、西神地区での基幹病院である西神戸医療センターにおいて両方の科目とも患者さんがあふれており、病院でしかできない専門的な手術や入院加療が圧迫されているとお聞きし、自分の特色を活かしたクリニックを開業することで、この地域に貢献できるのではないかと考えるようになったことが開業のきっかけになりました。
かくして2010年、「いしだクリニック」開業するに至ります。なお、西神戸医療センターは現在でも当クリニックが病診連携をする最も重要な医療機関の1つで、患者さんの紹介や私自身のカンファレンスへの参加など、密で良好な関係を持たせていただいています。
クリニックには、どのような患者さんが多く受診されていますか?
泌尿器疾患については、尿漏れや頻尿、尿が出にくいなどの排尿障害、膀胱炎、尿路結石といった良性疾患から、前立腺がんや膀胱がんなどの悪性疾患まで幅広く対応しています。中でも、前立腺肥大症や過活動膀胱などの排尿障害でいらっしゃるご高齢の方、若い方ですと膀胱炎、健診で尿に異常があり精密検査を希望される方が多いでしょうか。そのほか、お子さんのおねしょ、40~50代男性の更年期障害のご相談などもあり、性別や年代でみるとかなり幅広い患者さんが来院されています。
また、最近では健診などで腎機能の低下を指摘され、心配で受診される患者さんが多いです。慢性腎臓病などの腎機能障害については、適切な生活習慣の指導や治療の提供で、できるだけ人工透析の導入時期を遅らせるようにサポートしております。
さらに、泌尿器科、腎臓内科の専門性の高い疾患とともに、「地域のかかりつけ医」としても地元の皆様から頼られる存在でありたいという開業当初からの思いがありました。現在では、風邪や胃腸炎、高血圧・糖尿病などの生活習慣病、喘息などのアレルギー疾患まで一般的な内科疾患で受診される患者さんも少なくないですね。
日々の診療で、特に力を入れていることなどはあればお聞かせください。
尿検査が学校や会社での基本的な健康診断項目に加わっていることからもわかる通り、腎臓をはじめとする泌尿器科の診療分野は、身体の健康のバロメーターとしてとても重要なものです。特に力を入れている症例というものはありませんが、「おしっこに関係することで困ったらここへ行けばしっかり診てもらえる」とたくさんの患者さんに思っていただけたら嬉しいですね。
たとえば、同じ「血尿」という症状でも、尿路のがんや結石などの泌尿器科疾患なのか、糸球体腎炎などの腎臓内科疾患なのか、患者さんには判断がつきません。各科の専門医でさえ、自分の専門外になると詳しく答えられない場合があります。そうしたときに、私のように泌尿器科・腎臓内科の両方に詳しい医師がいれば、患者さんも安心できると思うのです。
また、自由診療としてAGAやED治療の薬を処方する場合にも、泌尿器科医と腎臓内科医、それぞれの知見が役立つ場合が多く、当クリニックの強みである専門性が、より安全で質の高い医療の提供に役立つと考えています。
尿漏れの治療で「スターフォーマー」を導入しているとお聞きしました。どのような治療効果が期待できますか?
スターフォーマーの治療の仕組みとしては、磁波による筋肉刺激で骨盤まわりのインナーマッスルに作用し、30分ほどの治療時間中に約5万回の筋収縮運動を引き起こすものです。通常のトレーニングでは鍛えにくい骨盤底筋を鍛えることで、あらゆるタイプの男性または女性の尿失禁、便失禁の改善に効果があり、腰痛改善や体幹を鍛える効果も期待できます。
女性においては、出産・加齢・婦人科領域のがんの手術の影響などの理由で、骨盤底筋が緩んで起こる腹圧性尿失禁には効果的とされていますし、男性では前立腺癌の手術後の合併症である尿失禁に効果が期待できます。実際に、薬物療法や骨盤底筋運動などほかの治療法で効果がなかった患者さんでも症状が改善したケースが多くあります。
スターフォーマーの使用については自由診療となりますが、着衣のまま座っているだけで治療可能で、痛みなどもなく、使用上のリスクはほとんどない機器です。当クリニックでは、お薬による治療を好まれない患者さん、またお薬による治療で効果が不十分な患者さんの選択肢として使用をおすすめしています。少しでも興味のある方には、お試しコースなども用意していますので、お気軽にご相談ください。