更新日: 2022-09-06

基本情報

名称:
三浦中央医院
診療科目:
総合内科, 糖尿病内科, 内分泌内科, 代謝内科
住所:
〒 238-0101
神奈川県三浦市南下浦町上宮田1738-1

電話番号046-888-5010電話
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治療の進化が目覚ましい糖尿病において、専門医の役割は今後さらに増大

どのような患者さんが来院されていますか?

私の専門である糖尿病、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病で、比較的ご高齢の方の来院が多いですね。健康診断で糖尿病疑いの指摘を受けていらっしゃる働き世代の方や、すでに治療を受けられている方が「専門のクリニックで診てもらいたい」と来院されることもあります。
 
また、比較的若い世代ですと、何となく体調が良くない、首の腫れが気になるなど甲状腺疾患の症状でいらっしゃる方が多いです。
甲状腺の病気には橋本病、バセドウ病、甲状腺腫瘍などがありますが、例えば橋本病であればだるさやむくみ、体重増加、認知症様症状、バセドウ病であれば息切れや動悸、イライラする、といった症状が見られます。
甲状腺腫瘍は良性であれば治療の必要がないことが多いですが、定期的に経過観察を行い大きくなったり悪性が疑われたりするような場合には、専門の病院を紹介しています。
 
その他、総合内科専門医として一般内科診療にも対応していますので、専門に関わらず、風邪や腹痛、胃腸炎など、さまざまな症状の患者さんを診療し、自分ができ得る最善の治療の提供に努めています。

糖尿病の専門的治療について教えてください。

瀧端院長の写真

現在は効果的な糖尿病治療薬がたくさん開発されていて、非常に嬉しいことである一方、薬剤に関する知識が豊富でないと効果的な治療はできません。
 
糖尿病治療薬には、主にインスリン抵抗性改善薬(インスリンの作用を助ける薬)とインスリン分泌促進薬(インスリンの分泌を促すための薬 )があり、その使い分けが大切です。このほか、血液中の過剰な糖を尿と一緒に体外に排出するための薬が適している患者さんもいらっしゃいます。
 
患者さん一人ひとりの病態や合併症に合わせて適切な薬を処方できれば、血糖値をコントロールできるだけでなく、合併症そのものを改善したり、インスリン注射を離脱できたりするケースもあるんです。
私は長年、個々の患者さんへの薬の効果や薬の組み合わせなど糖尿病薬の治療戦略研究に研鑽を積んできましたので、そこは得意だと自負しています。
 
糖尿病専門医の役割は、昔に比べて本当に大きくなっています。糖尿病の診療は医師の実力に左右される側面が大きくなってきましたので、糖尿病の患者様は是非、専門医を受診して頂きたいと思っています。

具体的には、どのような投薬治療をされているのでしょうか。

まずインスリンですが、製剤そのものに加え注射器も開発が重ねられています。その一例がインスリンポンプで、細くて柔らかい管を腹部の皮下に入れ、継続的に安定したインスリン注入が可能になりました。
 
また私たちの身体には元々、「GLP-1」という血糖値と体重に関わるホルモンが存在していますが、この「GLP-1」を応用して血糖値と同時に体重も下げる「GLP-1受容体作動薬」も開発されています。
 
インスリンやGLP-1受容体作動薬を使用している患者さんは、低血糖のリスクがあり、定期的に血糖値を測る必要があります。今までは1日1~4回の頻度で指先に細い針を刺して血を絞り取り、それを血糖測定器で読み取る必要があったため、手間や痛みなどの理由で、なかなか続けることが出来ないという患者さんが一定数いらっしゃいました。
現在では検査機器も進化していて、例えば「フリースタイルリブレ」は500円玉サイズのセンサーを二の腕に付け、センサーをスキャンするだけで血糖値を測定することができます。最大14日間装着可能で、その間であれば何回でも血糖値を測定することができます。
他には、細いセンサーを皮下に刺して、血糖値を連続的かつ自動的に測定できる「CGMS」(Continuous Glucose Measurement System) もあります。
 
当院では患者さんの希望に応じてこれらの測定機器を使用しており、血糖値の推移を見ることによって、薬剤や注射の選択、運動療法や食事療法の成果の確認や、今後の治療の進め方を考えるようにしています。

フットケアにも注力しているとお聞きしました。

瀧端院長の写真

はい。糖尿病の合併症には糖尿病性末梢神経障害や閉塞性動脈硬化症といった神経障害や血管障害があり、それが原因で足が壊疽して切断しなければならない状態になることがあります。そういった合併症を管理するための一環でもあり、また、足から全身の健康を支えていきたいという想いもあって、フットケアのトレーニングを積んだ看護師2名が担当して取り組んでいます。
 
具体的にはフットバスで石鹸を使って足を洗い、タオルで拭いた後、保湿します。爪水虫やうおのめ、むくみなど足の状態をよく観察し、ハイリスクなところから手当てをしていきます。大切にしているのは、患者さんと一緒に足を見て、ご自身の足の状態を把握していただくことです。
自分の足に関心を持って、自宅で足をケアするきっかけづくりをすることで、糖尿病の悪化や合併症予防に繋げていければと考えています。
足のむくみや靴が合わないなど、足に関するちょっとしたお悩みがあれば、ぜひご相談ください。