炎症性腸疾患や肛門疾患の専門病院で研鑽を積んだ後、地域医療のバトンを受け継ぎ横浜で開業
はじめに、貴院に入職されるまでのご経歴を教えてください。

横浜市立大学医学部卒業後、研修を経て、横浜市立市民病院の炎症性腸疾患科に勤務しました。炎症性腸疾患は、消化管に炎症や潰瘍が起こる疾患で、主に「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」の2つを指す難病です。どちらも10~30代で発症する方が多いですが、潰瘍性大腸炎は若い人に限らずどの年齢でも発症します。今のところ根治的な治療法がなく、患者さんはライフプランに合わせて治療を選択し、症状をコントロールしながら病気とつき合っていく必要があります。そうした患者さんに寄り添い、サポートしていく医療にやりがいを感じながら診療にあたりました。
その後、栃木県立がんセンター、宇都宮肛門・胃腸クリニックに勤務し、肛門疾患と内視鏡を専門に研鑽を積みました。
どのような疾患を多く診てこられたのでしょうか?
潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患だけでなく、ピロリ菌感染による慢性胃炎、自己免疫性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などの消化器疾患や、いぼ痔(内痔核・外痔核)、切れ痔(裂肛)、肛門周囲膿瘍、痔瘻、肛門周囲炎といった肛門疾患を中心に診療しました。
消化器内視鏡専門医、大腸肛門病専門医として数多くの診療に携わり、内視鏡検査や治療技術を磨きながら研鑽を重ねました。
そして2017年、山田医院の院長に就任されました。どのような経緯で継承されたのでしょうか?
当院は、先代が耳鼻咽喉科の診療をしていましたが、高齢になり私が継承する際に消化器内科と肛門科を新設しました。現在は消化器内科と肛門科を私が担当し、耳鼻咽喉科は週2回ですが診療を続けています。
ここ鶴見は、先代が長年にわたり地域の皆さんと信頼関係を築いてきた場所ですし、私も愛着を感じています。私で3代目となりますが、患者さん一人ひとりにていねいに向き合いながら、今後も長く地域医療に貢献していきたいと思っています。
現在、どのような患者さんが来院されていますか?
お子さんから高齢者まで幅広くお見えになりますが、割合としては女性の患者さんがやや多いです。近くにお住まいの方だけでなく、遠方から来られる方もいらっしゃいます。
便秘や下痢、血便、腹痛、胸やけなどのおなかに関するお悩みや、いぼ痔、切れ痔、痔瘻といったおしりの悩みで受診されます。胃と大腸の内視鏡検査をご希望されていらっしゃる患者さんも多く来院されています。
