胃腸科医院が大幅リニューアル。消化器内科に加え、糖尿病・甲状腺・高血圧・脂質異常症・痛風・腎臓病・呼吸器疾患・救急医療が受けられるクリニックが始動
2025年4月から診療体制が変わったと伺いました。

当院は、1996年に消化器内科を専門とする坂本芳大先生が開院され、以来約30年にわたり地域の医療を支えてこられた医院です。坂本先生のご引退にあたりご相談をいただき、2025年4月より私がその志を受け継ぎ、運営を引き継ぐこととなりました。診療内容も複数の医師が診療に関わるようになったことから、従来の消化器内科に加え、糖尿病・甲状腺・高血圧・脂質異常症・痛風・腎臓病・呼吸器疾患、さらに一次救急の対応まで、内科全般を幅広くカバーできる体制を整えました。
また、医師だけでなく、薬剤師さん、看護師さん、臨床検査技師さんもチームとして関わるようになり、院内でお薬がもらえる院内処方や超音波検査も可能になりました。院内処方とは院内で直接お薬をもらうことであり、実際に行っている医療機関は少ないものの、患者さんにとっては非常にありがたい仕組みですので、一度当院を受診して実際に経験してみていただけると幸いです。
医院を継承された瀧端先生のご経歴についてお聞かせください。
医学部卒業後は、糖尿病治療の先進的な取り組みで知られる国立国際医療研究センターで初期臨床研修を行い、糖尿病をはじめ内科全般にわたって2年間、集中して研鑽を積みました。研修後は横浜市立大学附属病院の内分泌・糖尿病内科に入局し、並行して大学院でも糖尿病治療薬の臨床研究に取り組みました。私は現在、講演など通して多くの先生方を教える立場になっていますが、このときの臨床研究がきっかけとなっています。
以降、複数の関連病院で幅広い診療経験を重ね、現在は糖尿病専門医・指導医※1と内分泌代謝専門医・指導医※2、内分泌代謝・糖尿病内科領域指導医※3、総合内科専門医※4の資格を取得しています。また後述しますが、我々が2014年に立ち上げた三浦中央医院はクリニックとしては全国でも非常に数少ない日本糖尿病学会認定教育施設、日本内分泌学会教育連携施設、また新専門医制度における内分泌代謝・糖尿病内科領域の教育連携施設に認定されており、若手医師の育成に力を入れてきたことが我々の法人の特徴でもあります。
※1 日本糖尿病学会糖尿病専門医・指導医 ※2 日本内分泌学会内分泌代謝専門医・指導医 ※3 日本内分泌学会内分泌代謝・糖尿病内科領域指導医 ※4 日本内科学会総合内科専門医
2014年に開業医へ転身されたとのことですが、そのきっかけを教えてください。
私が開業を決意したのは、「困っている患者さんの受け皿になりたい」という思いからでした。2014年に三浦市内で三浦中央医院を開業したのですが、当時、大学からの派遣として診療していた私が大学に戻ってしまうと、この地域で糖尿病や甲状腺疾患を専門的に診ることができる医師がいなくなってしまうという状況だったのです。自分が診ていた患者さんの数も非常に多かったことから後任を見つけることもできず、行き場を失いかねない患者さんたちの存在を思うと、見過ごすことはできませんでした。
三浦中央医院を開業して三浦市での診療体制を整えた後、一緒に仕事をしたいと言ってくれた仲間にも恵まれたことから、横浜市内に糖尿病や甲状腺疾患を含む内科全般を診療できるクリニックを仲間と一緒に立ち上げることとなり、1、2年ごとに4院開設していたことから当院はその5院目となります。


瀧端先生は糖尿病治療のエキスパートですが、坂本内科クリニックでも診療を担当されているのですか?
私自身は主に後方からの支援に回っています。現在、非常勤医師を含めて6名の若手医師が診療を行っていますが、その中での私の役割は、担当医が診療方針に悩んだ際に相談に乗り、診療に役に立つ知見を仲間で共有して医師全体の診療力の底上げを図ることです。
私が専門とする糖尿病の診療は特に継続的なマネジメントが必要な分野であり、患者さん一人ひとりに応じた柔軟で質の高い医療の提供が求められますが、現在の医療は高度化が進んで医師一人では出来ることに限界があり、チーム力が求められるようになってきました。だからこそ、私自身が前線に立つだけでなく、後進の育成にも力を入れ、チーム全体として質の高い医療を提供できる体制づくりを目指しています。