兄弟の地域中核病院と連携し、医療の入り口を担う整形外科クリニックを開業
はじめに、医師を志したきっかけを教えてください。
医師を志したのは、兄二人の影響が大きかったですね。私は、男三兄弟の末弟で、長兄、次兄ともに整形外科医なんです。私が学生の頃、進路を決めるときに長兄は医師になったばかり、次兄は医学生でした。兄が二人とも医学の道を進んでいくのを目の当たりにして、「自分も医師を目指したい」と思ったのがきっかけです。
整形外科を選んだ理由もご兄弟の影響でしょうか?
はい。長兄も次兄も広島大学医学部を卒業後、整形外科医になりましたので、私も同じく広島大学医学部に進み、整形外科を専攻しました。もちろん別の科目を選択することもできたのですが、同じ広島の地で、兄弟3人で協力しながら同じ道を歩んでいきたいと思ったんです。
実際に、40年ほど前にご兄弟で整形外科病院を開設されたそうですね。
1982年に兄弟3人で「医療法人社団まりも会」を設立し、広島市内に「平松整形外科病院」を、1999年に「河石記念病院」(八丁堀平松整形外科消化器科病院に改名)を開設しました。2011年にこの2つの病院を統合して「ヒロシマ平松病院」とし、現在は、整形外科を中心に、内科、外科、救急外来など複数科を持つ地域中核病院となっています。
平松先生が「平松整形外科」を開設された経緯をお聞かせください。
広島大学医学部を卒業後は同病院の整形外科に入局して、事故による骨折や腱の損傷、手指のケガといった急性期外傷から、変形性関節症や脊柱管狭窄症などの慢性疾患まで幅広い臨床経験を積んできました。
その後、広島鉄道病院(現在のJR広島病院)の整形外科部長職を経て、いずれは兄らと一緒に働きたいと考えていたこともあり、1988年、兄弟で開設した統合前の「平松整形外科病院」にうつり、副院長・院長として21年ほど務めてきました。
そして、2011年、法人内で2つの病院を統合する際に、「私は地域のクリニックでプライマリ・ケア(初期診療)を担い、兄たちの病院を脇から支えていきたい」と考え、現在の整形外科クリニック「平松整形外科」を開業するに至ります。
広島市内で、整形外科中心の病院と整形外科クリニックをご兄弟で運営されているのですね。
ヒロシマ平松病院は、現在、長兄が会長、次兄が理事長を務め運営しています。同じ広島市内にありますから、当院の患者さんで大きな手術や入院加療が必要な場合は、速やかに治療が進むよう連携を密にとっています。