更新日: 2025-04-22

基本情報

名称:
相生山ほのぼのメモリークリニック
診療科目:
内科, 老年内科, 老年精神科, 心療内科
住所:
〒 458-0011
愛知県名古屋市緑区相川2丁目105

電話番号052-896-0088電話
する

患者だけでなく負担を抱える家族のケアにも尽力し、多面的な支援を提供

先生が日々の診療で心がけていることを教えてください。

認知症の方については、できる限り患者さんの意思を尊重したいと考えています。とはいえ、現実問題として、ご本人の判断力が衰え認知症が進行している状況では、介護されるご家族のお気持ちや意見も大切です。患者さんとご家族両方の要望をお聞きしながら、納得して治療を進めていただける道筋をつけるように心がけています。

また、認知症や精神疾患の診療では、患者さん本人と同じくらいご家族のケアが重要です。一般的に重症度が上がるほどご家族の負担は重くなり、頑張って頑張って、苦労しながら介護されている方がたくさんいらっしゃいます。しかし、厳しい状況が続くといずれは限界がきますので、ご家族の労をねぎらいながら施設入所を提案することもありますし、逆に、施設入所を嫌がる患者さんをなだめることもあります。それぞれの家庭環境を複合的に判断しながら、患者さん本人とご家族の間に入ってバランスをとっていくのも私の務めだと思っています。

院内も患者さんやご家族に対するやさしさが感じられる内装ですね。

相生山ほのぼのメモリークリニックの院内の写真
グリーンの椅子やカーテンで明るい雰囲気の診察室

ありがとうございます。なるべく病院っぽい感じをなくして、誰でも気軽に立ち寄れるような温かい雰囲気にまとめました。患者さんの気持ちが落ち着くように照明はやや明るさを落とし、元気なイメージのオレンジとグリーンの椅子をアクセントにしました。患者さんもご家族も、当院ではリラックスして“ほのぼの”とした気分で過ごしていただけると嬉しいですね。

また、当院では2カ月に1回、土曜日の昼に「認知症カフェ」を開催しています。当院の患者さんやご家族だけでなく、どなたでも参加できますので気軽にお越しください。私やスタッフはもちろん、最近は地域の訪問看護師や薬剤師、地域包括支援センターの方が参加されることもあり、みなさんの質問に答えたり、ご家族同士で情報交換したりと和やかな雰囲気で交流されています。悩みを共有したり、話したりすることで気持ちが楽になることもありますので、興味のある方はぜひご参加ください。

お忙しい日々だと思いますが、今後の展望はありますか?

時間ができたらやりたいことはいくつかあって、これまで続けてきたアルツハイマー病の治療薬に関する研究を再開し、論文発表を行いたいと考えています。また、ご家族や専門職向けの認知症に関する勉強会も定期的に開けたらいいなと思っています。
あとは、脳が活性化するといわれている麻雀教室の開催など…認知症カフェ以外にも、地域の方と交流できる場を増やせるといいなと考えています。

さいごに、読者へのメッセージをお願いします。

松永 慎史先生の写真

海外では、認知症のことを「ロング・グッドバイ(長いお別れ)」と呼ぶそうです。ご本人、ご家族にとって切ないことですが、当院は患者さんもご家族も幸せを感じられるような医療の提供を目指しています。
そのためには、できるだけ早めに受診して、心と体がどのような状態か把握することが大切です。これは、予防や治療といった医療面だけでなく、患者さんとご家族の生活や財産、相続といった人生設計にも関わってくるからです。早い段階で診断できれば、これからどういった状態になるかを見立てて、ご家族とも相談しながら先々のことを準備できます。認知症が進行してしまった場合でも、そのときに必要な医療や介護についてサポートしますので、気になることがあれば気軽にご相談ください。
今後も地域の皆様の認知症、体、心の悩みを総合的に相談できるクリニックとして尽力してまいりますので、よろしくお願いいたします。