肛門科に対するネガティブなイメージを払拭したい。おしりから全身までトータルケアを目指す
来院しやすい環境づくりに注力されているそうですね。
はい。肛門科は「恥ずかしい」「治療が痛そう」といったネガティブなイメージが先行し、受診を敬遠されがちです。我慢できないほど悪化してようやく受診される患者さんも多く、「もっと早く受診して手術すればよかった」という言葉を幾度となく聞いてきました。特に、女性は「男性と同じ待合室は恥ずかしい」と感じる方も多いと聞きます。当院では水曜日の午前中をレディースデイとし、私以外の受付スタッフや看護師は全員女性で対応しています。一度レディースデイで来院されると、二回目以降は通常の受診日でも安心して受診いただけるようで、現在では患者さん全体の約半数以上が女性となっています。
今後も肛門科に対するマイナスなイメージをできるだけ払拭し、安心して受診できるような環境や雰囲気づくりを心がけていきたいと考えています。

先生が日々の診療で心がけていることを教えてください。
肛門疾患を抱える患者さんの多くは、便秘や下痢などの便通異常に加え、それに伴う腹部の不調を併せ持っているケースが少なくありません。そうした背景もあり、当院では「おしりから全身までを診るトータルケア」を大切にし、肛門症状の改善だけでなく、その根本にある消化器の不調にも着目した診療を行っています。
おしりやおなかの調子がすぐれないと、身体的な不快感だけでなく、気持ちの面にも影響を与えてしまいます。肛門は毎日使う器官であり、日々の食事や生活習慣、ストレスの影響を大きく受ける場所でもあります。そのため、一度良くなったとしても、快適な排便を安定して保ち続けることは簡単ではありません。
だからこそ、患者さん一人ひとりの年齢や性別、生活環境、体質などを丁寧に伺いながら、その方にとって無理なく続けられる治療法や生活改善の方法を組み合わせてご提案するよう心がけています。治療によって快適で安定した状態を取り戻し、それを継続していけるよう、しっかりとサポートしてまいります。
お忙しい日々かと思いますが、先生のプライベートの過ごし方を教えてください。
月に1回ほど、友人とゴルフに出かけています。自然の中で体を動かすと気分もすっきりして、よいリフレッシュになりますね。スコアはまだまだですが、頭を空っぽにできる貴重な時間です。
本当は旅行にも行きたいところなのですが、開業してからはなかなかまとまったお休みが取れず……。もう少し落ち着いたら、ゆっくりと遠出をしてリフレッシュできる時間を持ちたいと思っています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

肛門疾患に関しては、「恥ずかしい」「痛そうで怖い」といった理由から受診をためらってしまう方が少なくありません。しかし、早期に適切な治療を受けることで症状を軽く済ませられるケースも多くあります。当院では、大腸肛門疾患に関する専門的な知識と経験をもとに、お一人おひとりの症状やお気持ちに丁寧に寄り添いながら、安心して治療を受けていただける環境づくりに努めています。
また、当院は、肛門や大腸といった専門的な診療にとどまらず、全身の健康をトータルにサポートできるクリニックを目指し、地域の“かかりつけ医”として皆さんの健康を長く支えていける存在でありたいと考えています。少しでも気になる症状があれば、気軽にご相談ください。皆さんの健康と笑顔のために、これからも誠実に向き合ってまいります。