内科医・消化器内科医として幅広く経験を積み、地域医療に貢献すべく開業
はじめに、先生が医師を志したきっかけをお聞かせください。
実家が横浜・元町で歯科医院を開業しており、祖父母も父も歯科医ですので、小さい頃から医師の仕事を身近に感じながら育ちました。そのまま後を継いで歯科医になる道もありましたが、自分は違うところを目指したい気持ちがあったので、歯科ではなく医科を選んだという感じですね。東京慈恵会医科大学に進み、卒業後は東京慈恵会医科大学附属病院の消化器・肝臓内科に入局し、関連病院などを回りながら約18年勤務しました。
どのような疾患を多く診てこられたのでしょうか?
逆流性食道炎、脂肪肝、ヘリコバクター・ピロリ感染症、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群などの機能性胃腸症、膵臓がんや肝臓がんなど、幅広い消化器疾患の診療に携わりました。なかでも、率先して治療にあたったのが、専門としている膵臓がんです。膵臓がんは発見や治療が難しく、難治性疾患の代表とも言われますが、臨床経験を積みながら膵臓がんの画像診断に関する研究で学位を取得し、UCLAでは、オートファジーや高脂肪食に関する膵臓がんの基礎研究を行いました。
帰国後は、消化器疾患だけでなく、頭痛や風邪、気管支喘息などの一般的な疾患をはじめ、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病、メタボリックシンドロームの患者さんなど、内科全般の診療も行い、研鑽を積みました。
そして2021年2月に貴院を開業されました。
大学病院での先端医療はやりがいも大きかったのですが、他方で、生まれ育った地元に貢献したいという想いや、もっと予防医学に力を入れたいという気持ちが湧いていました。そうした状況にコロナ禍が重なり、このビルの1階が空くことになったのもきっかけの一つですね。実はこの「髙倉ビル」は実家のビルでして、2階に代々続いている歯科医院があります。年齢的にも節目を感じていましたし、この機会に地元に戻ろうと考えて大学病院を退局し、2021年にUnMed Clinic Motomachiを開業しました。
「UnMed Clinic」という名称には、どのような想いを込められたのですか?
医療の世界に「Unmet Medical Needs(アンメット・メディカル・ニーズ)」という言葉があります。これは、患者さんが求めているにもかかわらず有効な治療法が見つかっていないなど、今もなお満たされていない医学的ニーズを指します。このUnmet Medical Needsに応えたいというのが、当院の理念です。
そして、この「Unmet Medical」になぞらえて、「UnMed」という造語を冠しました。「Un」はフランス語で数字の「1」、「Med」は英語で「医療(Medicine)」を意味するところから「UnMed=プロフェッショナルとして患者さんに1番の医療を提供したい」という想いを込めてつけました。