排尿障害から感染症はじめ、泌尿器の身近なトラブルに真摯に向き合う
どのような患者さんが多く来院されますか？
数少ない女性医師の泌尿器科クリニックとして、女性の泌尿器のお悩みの受け皿になることができれば、という思いもありましたが、実際は、男性の患者さんも多く、今のところ男女の割合は半々くらいでしょうか。
患者さんの年齢は幅広いですね。下は、「おちんちんが痛い」と訴える7，8歳のお子さんから、上は、排尿障害でお困りの100歳の方までおられます。主訴も、「最近、尿もれがある」という40代、50代の女性、性感染症の若い男性、膀胱炎の20代女性というようにさまざまです。
泌尿器科とはどういうところなのか、よくわかっていない患者さんも多いのではないでしょうか？
そうかもしれませんね。泌尿器科は、男性の生殖器（前立腺、精巣、陰茎など）の病気と、尿に関わる（腎臓、膀胱、尿管）病気を診療する科で、前立腺や膀胱、腎臓のがんから、前立腺肥大症や過活動膀胱などの排尿障害、膀胱炎・前立腺炎などの尿路感染症、尿管結石、性感染症、男性不妊など、疾患も多岐に渡ります。
当クリニックでは、泌尿器科一般診療していますが、中でも「尿が出にくい」、「排尿の回数が多い」、「尿がもれる」などの排尿障害でお困りの患者さんが多いでしょうか。排尿障害は、外出や旅行を楽しめなくなったりするだけでなく、不眠など、日常生活にも支障が出ていることが少なくありません。生活の質（QOL）を落とすだけでなく、その背景に、前立腺がんや膀胱がんなど、悪性の病気が隠れていることもあります。
排尿に関する自覚症状がある場合は、早期診断・早期治療のためにも、早めに泌尿器科を受診してほしいですね。
大学病院などの大きな病院とは違って、地域の中で患者さんに近いところにいますので、身近なお悩みをしっかり診て、患者さんに寄り添い、頼りになる存在になりたいと思っています。
もちろん、尿検査や腹部エコー検査、膀胱がんや腎臓がんのスクリーニング検査など初期診断に必要な検査も受けられるよう体制を整えていますので、検査の結果、より詳しい検査・治療が必要だと判断した場合には、速やかに連携病院をご紹介させていただきます。
女性の場合、婦人科なのか泌尿器科なのか、迷う人も多いようですね。
自覚症状からご自分で判断できないときは、婦人科、泌尿器科どちらか受診しやすいほうで医師の判断に委ねるとよいと思います。当クリニックでも隣接する産婦人科からご紹介いただいて、出産後の尿漏れなどの症状で受診される女性患者さんも多くいらっしゃいます。
最近は、尿失禁や過活動膀胱などに対する薬は数種類ありますから、悩みを抱えずに気軽に受診していただきたいですね。