患者からの感謝の声をモチベーションに救命救急の現場で経験を積んだ後、憧れだった叔父の元で腰痛治療を学ぶ
はじめに、先生が医師を志したきっかけと、これまでのご経歴を教えてください。
叔父が外科の医師で、奈良県で病院を経営していました。中学生の頃から病院に手伝いに行く機会があり、救急車で運ばれてきた患者さんの命を救う叔父の背中を見て、「かっこいいな」と憧れを抱き、自分も同じ医師の道に進みたいと思うようになりました。
川崎医科大学に進学し、卒業後は叔父のように命に最前線で関わることができる同大学の麻酔集中治療部に入り、麻酔科医として研鑽を積みました。 その後、神鋼加古川病院(現:加古川中央市民病院)の循環器内科に移り、循環器内科の専門医を取得しました。集中治療部で救命に関わった経験から、心臓の治療がいかに重要かを痛感し、より専門的に学びたいと考えてのことでした。心臓カテーテル1本で命を救うことができるダイナミックさに惹かれたのと、患者さんやご家族から感謝される機会が多いことも循環器内科を学ぶ大きな動機になりました。
その後、叔父様の病院である郡山青藍病院に入職し、腰痛治療に携わることになったそうですね。
はい。はじめは麻酔科や救急科に所属し、これまでの経験を活かし救命に携わっていたのですが、郡山青藍病院は腰痛治療でも有名な病院でしたので、並行して腰痛の患者さんの診療にも関わるようになりました。
当時はまだ珍しかったのですが、腰痛に対する日帰りのレーザー治療も行っており、患者さんに大変喜ばれていました。私にとって、救命や循環器内科に携わる中で大きなモチベーションとなっていたのが「患者さんに感謝される」という点だったのですが、腰痛治療に取り組む中でたくさんの患者さんから「楽になった、ありがとう」という声をダイレクトに聞くにつれ、「もっと患者に喜んでもらえる腰痛治療はないか」と探究心が芽生えたんです。調べると海外には手術以外にも実績のある先進治療法があると知り、「切らない治療を日本に導入したい」と叔父に頼み込み、長期の休みをいただき渡米して勉強する機会を得ました。
「切らない腰痛治療」との出会いが、貴院設立のきっかけとなったのですね。
そうですね。年齢的な問題や持病を抱えていて外科的手術を選べない方、あるいは入院を要する手術を望まれない方も多くいらっしゃいます。そういった方々に対し、切らずに治療できる方法を提供したいと開院を決意しました。
2018年に日帰り腰痛治療を専門とする「ILC国際腰痛クリニック」を開院し、2021年には組織再編を経て新大阪に「NLC野中腰痛クリニック」を開設しました。2024年1月には東京院もオープンしています。