地域のかかりつけ医として幅広い内科症状を診療。患者の負担に配慮した胃・大腸の内視鏡検査にも注力
貴院には、どのような患者さんが来院されていますか?

当院は、地域の「かかりつけ医」として、内科全般の症状・疾患を幅広く診療しています。喉の痛み、咳、発熱、下痢、腹痛、血便といった急性症状をはじめ、健診や人間ドックでの異常を訴えて来院される方が多いですね。
また、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病の患者さんが増えており、近年は脂肪肝などによる肝機能障害のご相談も目立っています。
患者さんの年代も幅広く、若い方からご高齢の方までさまざまです。特に40代以降の方では、「健康診断で便潜血が陽性だった」「血液検査で数値を指摘された」といった理由で、精密検査を希望して受診されるケースも多く見られます。
脂肪肝など、肝機能の異常が疑われる場合には、どのような検査を行うことになるのでしょうか。一般的な流れを教えてください。
まずは血液検査で、肝機能の状態や肝炎ウイルス感染の有無、さらに胆管・胆道・胆のうなどの障害がないか、その他甲状腺疾患を確認します。併せて腹部超音波(エコー)検査を行い、肝臓に脂肪が蓄積していないか、炎症やポリープ、腫瘍などの異常がないかを詳しく調べます。当院では、検査の専門職である臨床検査技師が担当し、正確かつ迅速に検査を実施。結果をできるだけ早くお伝えできるよう努めています。
さらに、より詳細な評価が必要な場合には、肝臓の組織を一部採取して顕微鏡で調べる肝生検や、腹部MRI検査などの精密検査を行うこともあります。その際には、連携する高度医療機関へ速やかにご紹介しています。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、異常があっても初期にはほとんど自覚症状が現れません。そのため、放置してしまうと肝機能の低下が進み、肝硬変や肝臓がんなどに進行するおそれもあります。健康診断で肝機能の異常を指摘された場合には、「自覚症状がないから」と放置せず、できるだけ早めに検査を受けていただきたいと思います。
貴院では、胃と大腸の内視鏡検査にも力を入れているそうですね。

胃と大腸の内視鏡検査は、胃がんや大腸がんをはじめとする消化器疾患を早期に発見するうえで、非常に有効な検査です。
当院では、消化器病専門医・消化器内視鏡専門医の資格をもつ医師が検査を担当し、病変検出を支援するAI技術を搭載した内視鏡システムを導入。小さな病変もできるだけ見逃さないよう、精度の高い検査に努めています。とはいえ、いくら有効な検査であっても、患者さんの負担が大きければ受けることをためらわれてしまいます。そこで当院では、痛みやつらさ、不安をできる限り軽減できるよう、快適で安心して受けていただける検査環境づくりに力を注いでいます。
胃の内視鏡検査(胃カメラ)では、口から挿入する経口内視鏡と、鼻から挿入する経鼻内視鏡のどちらにも対応しています。通常は局所麻酔で行い、モニターを見ながら一緒に確認していただけますが、ご希望があれば鎮静剤を使用し、ほぼ眠った状態で検査を受けていただくことも可能です。
大腸の内視鏡検査(大腸カメラ)でも、鎮静剤を使用してリラックスした状態で検査を行うほか、腸管を無理に押し込まずにスコープを進める「無送気軸保持短縮法」を採用し、痛みや違和感の軽減に努めています。
大腸の内視鏡検査でポリープが見つかった場合、その場で切除することは可能でしょうか?
大腸ポリープの大きさが比較的小さく、数も多くない場合は、検査時にそのまま切除が可能です。ポリープは放置すると将来的にがん化するリスクがあるため、検査中に安全に切除できるものは、その場で対応するようにしています。
一方で、ポリープのサイズが大きい場合や数が多い場合、または出血のリスクが高いと判断される場合には、入院による手術が必要となることがあります。その際は、連携する高度医療機関にご紹介し、適切な治療を受けていただけるよう手配いたします。
